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申出る
「申出る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
申出るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
夜おそく新聞を畳んで、郵便局までリヤカーにのせて持って行くのだった。翌日、代休を
申出る勇気もなかった。二週間打っ続けに働いて、やっと休みになると、漫才小屋へ行っ....
「自転車日記」より 著者:夏目漱石
で命を領すと混淆式《こんこうしき》の答に博学の程度を見せてすぐさまこれを監督官に
申出る、と監督官は降参人の今日の凹《ヘコ》み加減充分とや思いけん、もう帰ろうじゃ....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
へ越してから十四、五年になる。――あの時、雀の親子の情に、いとしさを知って以来、
申出るほどの、さしたる御馳走でもないけれど、お飯粒の少々は毎日欠かさず撒いて置く....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
いる洗濯屋だと聞かされた時から、どうもおかしいとは思ったが、さりとてそんなことを
申出るのはなんだか掛合になるような気がして、悪いとは思いながらいままで迷っていた....
「火星探険」より 著者:海野十三
。行きましょう、火星へ」 乗組員たちは皆火星へ行きたがった。地球へ引返したいと
申出る者は、只の一人もなかった。 これを見て、デニー老博士は大満足であった。 ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
所は信州|姨捨の薄暗い饂飩屋の二階であった。――饂飩屋さえ、のっけに薄暗いと
申出るほどであるから、夜の山の暗い事思うべしで。……その癖、可笑いのは、私たちは....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
た事を、昔話のように聞いていた。 ――家は、もと川越の藩士である。御存じ……と
申出るほどの事もあるまい。石州浜田六万四千石……船つきの湊を抱えて、内福の聞こえ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
るから、そなたもその覚悟で居てもらいたい。又何ぞ望みがあるなら、今の中に遠慮なく
申出るがよい。無理のないことであるならすべて許すつもりであるから……。』 漸く....
「華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
。 ――阿難の愛は、南原杉子の肉体を介さないでも存在します。でも、そんなこと、
申出るのは嫌です。あまりにも阿難はみじめよ―― ――仁科六郎の返答をききたいの....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
てゐる。月給千円、食事づきで雇ひたいと申しでると全員にわかに殺気立つて我も我もと
申出るのを押しとゞめ一室をかりて一人づゝ口答試問を行ふ。出張テストといふわけで、....
「田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
なってかくのごとく限りなき母の愛情の前に坐っていながら、四拾や五拾の金額を少なく
申出る事によって幾分なりともなお自分の面目なさを軽くしようなどとは実に何という見....
「墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
ユ》」に大きな新聞広告を出して、三日の間待っていたが、ただの一人も、それを見たと
申出るものがなかった。 自動車のほうは、どう考えても、もう、これ以上、手のつく....
「明治の五十銭銀貨」より 著者:服部之総
う、御承知おきいただきたく、この儀については動《やや》もすれば各国公使からも異議
申出るやも計りがたく、畢竟《ひっきょう》これらの儀は未だ詳細の談判は遂げてなきこ....
「法然行伝」より 著者:中里介山
うがなく、このことを奏上したところ、 「では門徒のうちに然るべき器量の者があらば
申出るように」 そこで醍醐の俊乗房重源を推挙して、大勧進の職に補せられた。重源....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
つの人間として扱われて、頭数で数えられるような場合です。人口調査係りに家族の数を
申出るのに、主人は肥って大きいから三人分にし、赤ん坊は小さいから人数のうちから省....