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「町役場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

町役場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
家庭の幸福」より 著者:太宰治
所謂お役所でありさえすればいい。戸籍名なんて言葉が、いま出たから、それにちなんで町役場の戸籍係りという事にしてもよい。何だってかまわぬ。テーマは出来ているのだか....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
っていましたが、やがて顔を挙げると、 「……会社、と言ってもH銀行の支店ですが、町役場、信用組合事務所、農蚕学校、小学校、まあ日曜日に休むのはそんなものです。製....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
ほかには何の手がかりとなるような物も持っていなかった。彼は身許不明の死亡者として町役場へ引渡された。 これでこの事件はひとまず解決したのであるが、僕の胸に大き....
田舎教師」より 著者:田山花袋
こっそり成願寺に葬ることにした。 荻生さんは父親をたすけてなにかれと奔走した。町役場にも行けば、桶屋に行って棺をあつらえてもやった。和尚さんは戦地から原杏花が....
一九三二年の春」より 著者:宮本百合子
に属する女工さんたちは活溌で、この前の作家同盟講演会の後、主催者であった青年団と町役場との間に問題が起った。作家同盟の誰だったかの話が、帝国主義侵略戦争反対にふ....
小祝の一家」より 著者:宮本百合子
て三河島の伯父のところへやった。年はおつかつだが貞之助の伯父に当る勘吉は十何年来町役場の書記を勤め、東京にあるたった一軒の親戚であった。勇の月給十七円の中から返....
禰宜様宮田」より 著者:宮本百合子
だあ》れもわざわざ発明もしなけりゃあ、買いもしないやな。 仕事びらきんときあ、町役場のお役人さんが、藻埴《もにわ》まで行って来なすつあね。 大丈夫よ、オイ、....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
しは責任ある人の口から、同じ事をでも、今一度聞きたいような気がした。そこで帰途に町役場に立ち寄って問うた。町役場の人は、墓地の事は扱わぬから、本郷区役所へ往けと....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
それから内地へ帰来後、夫人を喪い、数人の子女を親戚故旧に托し、独、福岡市外|千代町役場に出仕していたが、その後辞職して自分の娘の婚嫁先である北海道、札幌、橋本某....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
う書いてある。 「同志会の幹事は強盗の親分である」 かれは辻々に立ち、それから町役場の前に立ち、つぎに阪井の家の前に立ってどなった。 「折詰をぬすんだやつ、豆....
風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
ら、小田急ができて、ひらけたので、そのころは竹藪だらけであった。本校は世田ヶ谷の町役場の隣にあるが、私のはその分校で、教室が三つしかない。学校の前にアワシマサマ....
怪獣」より 著者:岡本綺堂
近在は盆踊りで毎晩賑わっていた。わたしはその土地特有の害虫を調査研究するために、町役場や警察署などを訪問して、最初の一週間ほどは毎日忙がしく暮らしていたが、それ....
日記」より 著者:宮本百合子
えると非常にかゆくなって又おさえをかける。何だか東京へ行きたくなってしまった。夜町役場の人だと云うのを御いくがつれて来て居る。田部氏によく似て居る。 四月五日(....
鴻ノ巣女房」より 著者:矢田津世子
女工になったのは十八の齢であった。北秋田の潟に近い小さな町でぎんは生れた。父親は町役場の小使をつとめ、母親は水汲み下女だった。ぎんは小学校を中途でやめさせられて....
不在地主」より 著者:小林多喜二
力が報いられたと思い、嬉しかった。 ところが一寸経って、健と小学校が一緒だった町役場に出ている友達が、健に云った。――近頃農村青年がともすれば「過激な」考えに....