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「町方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

町方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
頃町には小学校がちょうど二つございまして、一つは藩侯の御建てになったもの、一つは町方《まちかた》の建てたものと、こう分れて居ったものでございます。私はその藩侯の....
高野聖」より 著者:泉鏡花
。別にお寝室《ねま》と申してもございませんがその代り蚊《か》は一ツも居ませんよ、町方《まちかた》ではね、上《かみ》の洞《ほら》の者は、里へ泊りに来た時|蚊帳《か....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
うした訳で、こんな一団に加わっているのであろうか。 それについては、空襲下の下町方面の情況について、少しばかり述べて置かねばならない。 G・P・Uの侵入....
地中魔」より 著者:海野十三
に分りますよ。フフフ」 こんな会話をしながら三吉は歩いて廻った。しかし三吉が室町方面に近付くに従って、彼の顔はひきしまってきた。 「はてな」と彼は日本銀行の地....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
の短い墓標の林立。「無名親子の墓」「娘十四、五歳、新しき浴衣を着す」「深川区毛利町方面殉死者」などと記されている。 仮埋葬は都内六十七ヵ所。既設は谷中、青山の....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
売出した金魚は、たちまち更に二割の値上げをしても需要に応じ切れなくなった。 下町方面の養魚池はほとんど全滅したが、山の手は助かった。それに関西地方から移入が出....
薬草取」より 著者:泉鏡花
かりませんのに、見紛うようなそれらしい花の梢もござんせぬが、大方この花片は、煩い町方から逃げて来て、遊んでいるのでございましょう。それともあっちこっち山の中を何....
くろがね天狗」より 著者:海野十三
―おお、そうじゃ。聞けばこの程より怪しき辻斬がしきりと出没して被害多しとのこと。町方与力同心など多勢居りて、いかが致し居るのじゃ」 「遺憾ながら、私めにはまだ相....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
賑かな様子が、七輪に、晩のお菜でもふつふつ煮えていようという、豆腐屋さ――ん、と町方ならば呼ぶ声のしそうな様子で。 さては婆さんに試されたか、と一旦は存じまし....
鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
も往々見ることであるが、ここらも暦が新旧ともに行なわれていて、盆や正月の場合にも町方では新暦による、在方では旧暦によるという風習になっているので、今この事件の起....
多神教」より 著者:泉鏡花
凝と再び見直す)何じゃ、人か、参詣のものか。はて、可惜二つない肝を潰した。ほう、町方の。……艶々と媚めいた婦じゃが、ええ、驚かしおった、おのれ! しかも、のうの....
」より 著者:上村松園
形鹿子、新蝶流形、新蝶平形、じれった結び、三ツ髷、束ね鴨脚、櫛巻、鹿子、娘島田、町方丸髷、賠蝶流形、賠蝶丸形、竹の節。 大阪人のつけそうな名前である。「じれっ....
画道と女性」より 著者:上村松園
年輩は嘗て帝展に出品した後ろ向きに立った年増の婦人を想い浮かべた。品のある優雅な町方の上流婦人が、暮れかかる庭先の床几に掛けて、咲き乱れた萩の花を眺めている図、....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
、それだし、この辺を総体にこうやって、市の公園のようにするのにつけて、御本尊は、町方の寺へ納めたのだそうですが、あすこに、もと、お月様の御堂がありましたって。…....
」より 著者:岡本かの子
向うの御用屋敷内の御薬園で出来た甘藷だ。 ――これが評判のさつま芋というものか。町方では毒になるといったり、薬になるといったり、諸説まちまちだ。河豚は食いたし、....