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「画く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

画くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
幸なる我が子の墓前に立って、一代の女将軍が月下に泣いた姿を想いやると、これもまた画くべく歌うべき悲劇であるように思われた。かれが斯くまでに涙を呑んで経営した覇業....
画の悲み」より 著者:国木田独歩
で書いてある。元来学校では鉛筆画ばかりで、チョーク画は教えない。自分もチョークで画くなど思いもつかんことであるから、画の善悪はともかく、先ずこの一事で自分は驚い....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
。しかしそれから後は、黄泥溝で溺れ死ぬ者はなくなりました」 僵尸(屍体)を画く 杭州の劉以賢は肖像画を善くするを以って有名の画工であった。その隣りに親ひ....
地軸作戦」より 著者:海野十三
らほとばしり出でた言葉であることが肯かれもし、そして又、そのように途方もない夢を画くことによって僅かに自分を慰めなければならぬほど、窮乏のどん底へ陥ってしまった....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
つかむことは不可能であった。私は気分をその迷いの中から他の方向へ転じさせた。絵を画くことであった。父と共に南画を習いはじめ、仏画や風景をやたらにかきなぐりながら....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
早期のもので、家持十六歳ぐらいの時だろうといわれている。「眉引」は眉墨を以て眉を画くことで、薬師寺所蔵の吉祥天女、或は正倉院御蔵の樹下美人などの眉の如き最も具体....
郊外」より 著者:国木田独歩
がったのがこれだ。われながらお話にはならないまずサ加減、しかし僕は幾度でもこれを画く、まず僕の力でこれならと思うやつができるまでは何度でも写しにくると決心してか....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
なかった。そこで海へのあこがれはこの霧の海を発見させたのであった。三つの川の巴を画くこの地方は霧がとりわけ深かった。比叡尾山は馬洗川のほとりに連なる山脉の中での....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
毒な」と、口の中でつぶやいて、そっと銭を筵の上に置かれました。 隣りには砂絵を画く人がいます。その男の前には、砂が綺麗にならしてあり、傍には大きいのや小さいの....
キド効果」より 著者:海野十三
られて扨て仰有った。 「興奮曲線――と名付けるわしの研究じゃ。どうしてこの曲線を画くか。それは|Z・F・P誌一九三〇年九月号第三〇|頁に出して置いたところで明ら....
平家蟹」より 著者:岡本綺堂
みどりの枝をかわして、沖にあそぶ鴎の影白し。見渡すかぎり、山も海も遠く連なりて、画くがごとき眺めかな。 (このあたりより舞はようやく急なり。) 唄※ときに不思議....
秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
不幸なる我子の墓前に立って、一代の女将軍が月下に泣いた姿を想いやると、これもまた画くべく歌うべき悲劇であるように思われた。彼女がかくまでに涙を呑んで経営した覇業....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
する心に累せられて、寿命を縮めるような製作を嫌っていた。十日一水を画き五日一石を画くというような煩瑣な労作は椿岳は屑しとしなかったらしい。が、椿岳の画は書放しの....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
れど習字よりは画を好みて、夜は常に木偶の形など書き散らして楽みしが、ただみづから画くのみならで、絵巻物(註、錦絵の事なり)など殊の外よろこびて常に玩べりとか。 ....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
華やかな色の樺の若木が五、六本、後には暖い鼠色をした早川連嶺が、二重三重と輪廓を画く、その上から顔を出している雪の峰、白峰! 白峰! 人夫はその名を知らなかっ....