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画架
「画架〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
画架の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夢」より 著者:芥川竜之介
っと両足を組み合せたまま、頸《くび》を傾けているポオズをしていた。しかしわたしは
画架《がか》に向うと、今更のように疲れていることを感じた。北に向いたわたしの部屋....
「新生」より 著者:島崎藤村
で惜気もなくへし折って、それを焚付《たきつけ》がわりに鉄製の暖炉の中へ投入れた。
画架やら机やら寝台やらが置いてある天井の高い部屋の内には火の燃える音がして来た。....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
筆をしっかりと握って、部屋の中央にのけぞるように倒れている亜太郎の前には、小型の
画架に殆ど仕上った一枚の小さな画布が仕掛けてあり、調色板は乱雑に投げ出されて油壺....
「嵐」より 著者:島崎藤村
、次郎は半分引っ越しのような騒ぎを始めた。何かごとごと言わせて戸棚を片づける音、
画架や額縁を荷造りする音、二階の部屋を歩き回る音なぞが、毎日のように私の頭の上で....
「一坪館」より 著者:海野十三
たちをしていたせいであろう。彼は、肩から画板と絵具箱とをつりさげ、そして右手には
画架をたたんだものをひっさげていた。それを見れば、この男が画家であることが一目で....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
にまみれていた、巡礼がたくさん詠歌を唱えている。昔、二十年の昔なら洋画家は必ずや
画架を立てかけたに違いないところのモティフであった。 道後の湯は神社か寺の本堂....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
ーフを画面へ吹きつける) 食パン(食パンの軟きを指で練り固めてゴムの代用とする)
画架 以上のものがあれば即ち石膏の胸像の簡単なものから描き初める事が出来る。そし....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
細かく切って鼻紙といたしました。それくらいの倹約をしています」とあり、あるいは「
画架を買うのにやむを得ない道具のこと故思い切って買います。三円五〇銭です、高価で....
「桃のある風景」より 著者:岡本かの子
渡しを渡った向岸の茶店の傍にはこの頃毎日のように街の中心から私を尋ねて来る途中、
画架を立てて少時、河岸の写生をしている画学生がいる。この美少年は不良を衒っている....
「フランダースの犬」より 著者:菊池寛
ひどく荒れた部屋ですが北側から光線が入ります。この部屋でネルロは、木片で無細工な
画架をこしらえ、それに大きな紙を張り、そこへこれぞとおもうものをぜひ一つ描きあげ....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
山裾の見晴らせる崖のふちをコツコツ歩いて行くと、その崖にのぞんだ楡の木の根もとに
画架を据えて、一心に絵筆を動かしている岡本の姿が目にとまつた。 彼は何気なくそ....
「チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
っておいでか? ジヤニイノ いや、起きておいでだ。しきりと空想していらっしゃる。
画架を持って来いとおっしゃった。 アントオニオ だが、それを差上げるわけには行く....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
の娘 処 画室 時 現代 気候のよい時節 沢本と瀬古とがとも子をモデルにして
画架に向かっている。戸部は物憂そうに床の上に臥ころんでいる。 沢本 (瀬古に)....
「叔父と甥と」より 著者:岡本綺堂
五日、所用ありて上野までゆく。落葉をふみて公園をめぐるに、美術学校の生徒らしきが
画架など携えてゆくを見る。英一も健かならば、来年はかくあるべきものをと、またして....
「審判」より 著者:カフカフランツ
側の壁ぎわにベッドが置かれ、色とりどりの寝具が積み上げられていた。部屋の真ん中の
画架には一枚の絵がのり、シャツがかぶせてあって、その袖が床までぶらさがっていた。....