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画舫
「画舫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
画舫の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「西湖主」より 著者:田中貢太郎
って官吏をしていて、十余年目に故郷へ帰ってきたが、洞庭を舟で通っていると、一艘の
画舫がいた。それは檻に雕彫をした朱の窓の見える美しい舟であったが、中から笙に合せ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
まは阿呆の一夕の夢になってしまったのである。 石油の湖水、それに泛ぶ女王ザチの
画舫。なんて、馬鹿な夢を見続けていたもんだと、かえって折竹を恨めしげにみる始末。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ざいます」 「ここに一人の少年と、一頭のムク犬がおります、拙者の従者なのですが、
画舫《がほう》の片隅へ召しつれて差支えございますまいか」 「ええええ、差支えござ....
「北支点描」より 著者:豊島与志雄
筋も開かれていて、或は狭く或は広くそして屈曲して、両側には蘆荻が生い茂っている。
画舫に身を托してこの水路を進めば、俗塵は剥落して詩趣が湧く。 一般に支那の都市....
「上海の渋面」より 著者:豊島与志雄
西湖は大運河の名残りの川沼であり、南京の秦淮河は灌水の濠であり、そこに浮ぶけちな
画舫ぐらいなものは上海にもあってよかろうと、甚だ謙遜な要求をもなすまい。玄武湖か....
「画舫」より 著者:豊島与志雄
杭州西湖のなかほどに、一隻の
画舫が浮んでいました。三月中旬のことで、湖岸の楊柳はもうそろそろ柔かな若葉をつづ....
「鴉片を喫む美少年」より 著者:国枝史郎
思い出すのだがね。 黄浦河の岸に楊柳の花が咲いて散って空に飜えり、旗亭や茶館や
画舫などへ、鵞毛のように降りかかる季節、四五月の季節が来ようものなら、わけても日....
「女侠伝」より 著者:岡本綺堂
を食い、シナの酒を飲んだ。のちに芥川龍之介氏の「支那游記」をよむと、同氏もここに
画舫をつないで、槐の梧桐の下で西湖の水をながめながら、同じ飯館の老酒をすすり、生....
「淡紫裳」より 著者:佐藤垢石
を見たのを思い起こして、ある感慨に打たれた。 ゆるやかに流れる大同江の水上に、
画舫がいくつも浮いている。牡丹台の岸にれんげが咲き始めた。 山の中腹にある平壤....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
であった。 南京の街はなかなかいい町であった。秦准、これは詩人が詩に詠んだり、
画舫などもあり、夏の夜など実に美しいところであったらしいが、今は水はきたないし、....
「中支遊記」より 著者:上村松園
る間、誰の胸をも離れない感懐だろうと思う。 楊州にて 娘と母親が漕ぐ
画舫は五亭橋へ向っていた。朱の柱の上に五色の瓦を葺いた屋根、それに陽が映えた色彩....