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畏れ多い
「畏れ多い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
畏れ多いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
下に茶を売る者あり、夜は三条の橋より内侍所の燈火を望み得たとは、有名な話である。
畏れ多い限りではあるが『慶長軍記抄』に依れば「万乗の天子も些少の銭貨にかへて宸筆....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
藤家におけるお家騒動の、犠牲というに他ならぬ。そうして騒動の元兇は、これは少しく
畏れ多いが殿のご舎弟|帯刀様だ。……いやいやこれには理由がある。しかしそれはゆっ....
「死者の書」より 著者:折口信夫
感泣した。 「南家には、惜しい子が、女になって生れたことよ」と仰せられた、と言う
畏れ多い風聞が、暫らく貴族たちの間に、くり返された。其後十二年、南家の娘は、二十....
「放生津物語」より 著者:田中貢太郎
置きながら、べったりと両手を突いて頭をさげた。 「今日は、何も知りません孫奴が、
畏れ多いことをいたしまして、何ともお詫びの申しあげようがございません、それに悴が....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
えになって、お嫁ぎにならずに、都へもお帰りにならないんですって。……あたしとても
畏れ多い、悲しい気がするわ」 私も聞いて深く打たれた。 「うむ。尊いね。平民に....
「アイヌ神謡集」より 著者:作者不詳
が今はもうこの様に つまらない貧乏人になりまして,国の神様 大神様をお泊め申すも
畏れ多い事ながら今日はもう 日も暮れましたから,今宵は大神様を お泊め申し上げ,....
「終戦前後」より 著者:織田作之助
行った。それと行きちがいに、また隣組から、今日の昼のニュースを聞けと言って来た。
畏れ多い話だが、玉音は録音の技術がわるくて、拝聴するのが困難であったが、アナウン....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
したが、良人や娘などに相談した結果、細君は快く貸してくれることになりました。 「
畏れ多いお場所のお飾り物にこの狆の形が彫られるのでしたら、形のある限りは後に残る....
「にらみ鯛 」より 著者:佐藤垢石
を伝え聞けば、いまの宮中のご盛事に思い比べて、ほんとうであったろうかと疑われて、
畏れ多いことばかりである。 僅かに一万両 孝明天皇ご即位前後、禁裡御....
「かもじの美術家」より 著者:神西清
―「とても及ばぬ大役でございます。そのようなお偉いお方のお髯の先に触れることさえ
畏れ多い分際であります上に、然るべき剃刀の持合せもございません。持合せております....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
告げて帰ろうとしますと、長官は厚く私を扱うて廊下の端まで送って来られたです。余り
畏れ多いからどうかお引取り下さいといって頼みましたけれども、わざわざ下の方まで来....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
月二十二日、隠岐島に崩御あらせられた。御寿六十。一般の歌人とひとつなみに記すのは
畏れ多いことであるが、歴史的記述の途中だから、しばらく調子をかえずに進めよう。私....
「古事記」より 著者:太安万侶
。この時にワカクサカベの王が申し上げますには、「日を背中にしておいでになることは
畏れ多いことでございます。依つてわたくしが參上してお仕え申しましよう」と申しまし....
「三国志」より 著者:吉川英治
。御身も今からはつねに、朕がかたわらに立って、張良、蕭何の如く勤めてくれよ」 「
畏れ多い御意を」 「否とか」 「滅相もない。ただ、臣の駑才、何の功もなく、いたず....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
頷いて、 「よしなに……」と、微かに答えて、また、「この穢いすがたでは、君前甚だ
畏れ多いが、如何ともし難い」 なかば独言するようにいった。 「なんの」――と慰....