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畑作
「畑作〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
畑作の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
もない農繁の真最中に馬市が市街地に立った。普段ならば人々は見向きもしないのだが、
畑作をなげてしまった農夫らは、捨鉢《すてばち》な気分になって、馬の売買にでも多少....
「鰊漁場」より 著者:島木健作
にも仕方がなかった。村での源吉はほんとうに身を粉にして働いて来たのだ。いいという
畑作物はなんでも作ってみた。副業も一通りはやってみた。土木事業の出面にも出た。冬....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
も起こって来た。家族のものは継母おまんをはじめ、宗太夫婦は裏二階に住み込み、野菜
畑作りのために下男の佐吉一人を残して、下女お徳に暇を出すという相談も起こって来た....
「斜陽」より 著者:太宰治
れた。四月になって、私とお母さまがお縁側で編物をしながら、二人の話題は、たいてい
畑作りの計画であった。お母さまもお手伝いしたいとおっしゃる。ああ、こうして書いて....
「黒猫」より 著者:島木健作
の日の日向ぼっこということもあるらしい。彼等を一番憎んでいるのは母であった。庭の
畑作りは母の為事であり、彼等は畑を踏み荒すからである。 私はその頃一日に十五分....
「祖母のために」より 著者:宮本百合子
いいともわるいとも云わず、暫く黙り、また云う。 「百姓どもははあ、一寸でもよけい
畑作ろうと思ってからに、桐の根まで掘り返すごんだうわ、それでいて芽を一本かいてく....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
。 赤豌豆は、花があれで中々しおらしくて美しい、観賞用にしたスイートピーよりは
畑作りの豌豆の花の咲き揃った所が弥之助は好きであった、それに青いうちに莢《さや》....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ようでしょうね。わたしが一人で、畑が貧弱なのもやむを得ません。その一人がともかく
畑作りを着手した丈プラスです。一人だと、こんな風に畑は不便よ。朝おき、御飯がたべ....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
んとしていたかも知れなかったのである。 「家財道具みんな売り払ったばかりでなく、
畑作まで処分して出かけたッち話だね。」 「でも、嫁さんは……昨日もいたようだが…....
「雑記」より 著者:種田山頭火
ません。どこでもよいのですから、半月ばかり、そこらあたりをぶらついてきましょう。
畑作はなかなかおもしろい。ほとんど自給自足が出来る。 ほうれんそうはたくさん播....
「飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
論、馬橇もろくに通れない部落が多い。この地方は、水田が殆んどないので、平年でも、
畑作もの、即ち、粟や稗を常食としているのだが、今年はその粟や稗も殆んど取れず、代....
「雪村筆「茄子図」」より 著者:吉川英治
の花鳥図に名作がある。 ところでこの「茄子図」はそんな正面切った雪村ではない。
畑作りの余戯みたいなものだ。私にはそれが一そう親しめる。第一買った値だんも戦後だ....