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畢生
「畢生〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
畢生の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雛妓」より 著者:岡本かの子
らはだらに射し下ろす。その光の中に横えられたコンクリートの長橋。父が家霊に対して
畢生の申訳に尽力して架した長橋である。 父の棺輿はしばし堤の若草の上に佇んで、....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
事だから人に云われぬ機密を分けて遣る其所の入口を閉て来たまえ(大)夫や実に難有い
畢生の鴻恩だ」谷間田は卓子の上の団扇を取り徐々と煽ぎながら少し声を低くして「君先....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
にも、座光寺にも平田同門の熱心な先輩を数えることができる。その中には、篤胤大人|
畢生の大著でまだ世に出なかった『古史伝』三十一巻の上木を思い立つ座光寺の北原稲雄....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
事業に異議のあろうはずもない。山吹から来た門人らの説明によると、これは片桐春一が
畢生の事業の一つとしたい考えで、社地の選定、松林の譲り受け、社殿の造営工事の監督....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
なるつもりだ。僕は一日一日高く飛ぶ。周囲の空気が次第に冷く澄んで来る。 男児|
畢生危機一髪とやら。あたらしい男は、つねに危所に遊んで、そうして身軽く、くぐり抜....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
court”と。仮令馨子凱歌の中に光栄の桂冠戴くを得ざりしにせよ、彼女の生はその
畢生の高貴なる焔のあらん限を尽して戦い、戦の途上戦い死せる光栄ある戦死者の生也。....
「謀叛論(草稿)」より 著者:徳冨蘆花
元田宮中顧問官でも生きていたらばと思う。元田は真に陛下を敬愛し、君を堯舜に致すを
畢生の精神としていた。せめて伊藤さんでも生きていたら。――否、もし皇太子殿下が皇....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
を吸収消化せずという事なく、常に渾身の努力を挙げて、その研究にかかった。就中彼が
畢生の心血を濺いだのは心霊問題で、之が為めには、如何なる犠牲をも払うことを辞せな....
「春」より 著者:太宰治
けました。 きょうは、空襲が無いようです。 出征する年少の友人の旗に、男児|
畢生危機一髪、と書いてやりました。 忙、閑、ともに間一髪。....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
た。僕もその点は同感ですが、また一方、言葉に新しい生命を吹きこむことこそ、詩人の
畢生の仕事なのですから、まだまだ、それだけのことで希望をすててはいません。従って....
「太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
たのである、けれどもこの場合となって、もはや一刻も猶予することは出来ぬ、彼は実に
畢生の勇気を鼓して、おもむろに宣告した。 「敬愛なる満場の諸君子、予はここに終に....
「小伜の釣り」より 著者:佐藤垢石
息災にすくすくと伸びていくさまを見るほど、心安さはないのである。子供を育てるのは
畢生の大事業だ。そして、それに天恵の快興が伴う。 わが父も幼き私を、楢林の若葉....
「瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
のもありて、これを要するに今度の航海は、諭吉が机上の学問を実にしたるものにして、
畢生の利益これより大なるはなし。而してその利益はすなわち木村|軍艦奉行知遇の賜に....
「小山内薫先生劇場葬公文」より 著者:久保栄
、エリザベス朝の古典より世界大戦後の新傾向まで包含してあますところなく、今や先生
畢生の念願たる国劇樹立の緒につかんとする時、溘焉として世を去られたのであります。....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
とに仏教を奉ずるものなり、われは仏教ひとり真理の宗教なりと信ずるものなり、われは
畢生の力を尽くして仏教を拡張せんと欲するものなり。君請う、疑うことなかれと。その....