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「略図〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

略図の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
位置から右に左に見ゆる見当のまま、山や神社仏閣や城が、およそその見ゆる形に側面の略図を描いてある。勿論、改良美濃紙の復刻本であったが、原図の菱川師宣《ひしかわも....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
を見廻す様子ゆえ、余は首を差し延べ、其の地図を窺いたが、能くは見えねど此の屋敷の略図らしい、一方には河が有り堀が有り、爾して庭の小径など記して有る、併し地図より....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
著しく明瞭にした。 疑いもなく我々は現在でもまだわずかに星の世界の知識の最初の略図を得たにすぎない。それで我々もまたデモクリトス、ブルノ、ハーシェル、ラプラス....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
ものの味方の危急である。取る物も取り合えず、城をほとんど空にして馳せ向った。我計略図に当れりと、暗のうちに北叟笑んだのは元康である。このすきに易々として兵糧を大....
土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
?」 「すんじゃったんだ。」 「見まわりにも来ずに、どうしてすんだんだい?」 「略図を見て、すましちゃったんだ。馬鹿野郎!」 「畜生!」 坑夫等は、しばらく、....
黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
た大判洋紙《フールズキャップ》らしいもののきれっぱしを取り出して、その上にペンで略図を描いた。彼がそうしているあいだ、私はまだ寒けがするので、火のそばを離れずに....
海底都市」より 著者:海野十三
が話をしてくれたとおりの、大胆《だいたん》きわまる大深海《だいしんかい》の工事が略図《りゃくず》になって、したためられてあった。 「すばらしい着想だ。が……」 ....
草藪」より 著者:鷹野つぎ
努めている野草の姿には、また別の憐れさもあった。 試みに私は手もとのうすい植物略図を手にとってみると、猫萩というのがあり、イヌ麦というのがあり、じゃのひげ、鴉....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
松の自画自讃ときまっていた。それは鼠色の紙面へ淡墨を以て団扇を持てる女の夕涼みの略図に俳句が添えてあった。「秋暑し秋また涼し秋の風……か、なるほどよういうたある....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
女中をよんで、二人になると女たちは気が強くなり、珍しがって、からかいはじめた。計略図に当ったと楠は心中の喜びを隠しつつ、 「ここのほかには東京中に寒のタケノコを....
郷介法師」より 著者:国枝史郎
ていた。 「素性も知れぬ乞食爺を俺の実父と思い込み磔刑沙汰とは笑止千万、お陰で計略図に当たり、ますます俺は須々木豊前に信用を得ると云うものだ。そこを目掛けの第二....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
るところ……すべて、ばくばくたる水田で人家といってはありませんでした。 ざっと略図のようなものでいうと、こんな風な地形となる。....
百喩経」より 著者:岡本かの子
ここのうちの青熊が」 「青熊というのはここのうちの主人ですね。よろしい」 男の略図のような単純な五臓六腑が生れてはじめて食物を送る為以外に蠕動するのが歯朶子に....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
に意を注ぐをいう。これ、いわゆるさきの意向によりて生ずる不覚なり。 余がさきに略図をあげて示すごとく、神経には求心性、遠心性の二種ありて、外部に起こる刺激を大....
芝、麻布」より 著者:小山内薫
ある。自分の似顔に鬼のような角を生やして、毒哺生と名を署したのも彼である。電車の略図をかいて、その下に An Engineer と書いたのは中沢臨川である。女学....