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略語
「略語〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
略語の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
もの、頭ひらたく色青黒きいやしげなる人形を使う。これをのろま人形と云う。野呂松の
略語なり」とある。昔は蔵前《くらまえ》の札差《ふださし》とか諸大名の御金御用とか....
「人間失格」より 著者:太宰治
るかい?」 しかし、お嫁の件は冗談でした。 「モチよ」 モチとは、「勿論」の
略語でした。モボだの、モガだの、その頃いろんな
略語がはやっていました。 「ようし....
「道標」より 著者:宮本百合子
一層組織的に、一層計画的に展開される時にはいった。僅かのうちに伸子に耳新しい新造
略語がたくさん出ている。それらのどれもが、五ヵ年計画と生産経済計画《プロフィンプ....
「日は輝けり」より 著者:宮本百合子
明るい電燈の下に、輝やいた幾つもの顔が、彼等同志の符牒のようになっているあだ名や
略語を使って、しきりに噂の花を咲かせている。 けれども、変幅対と呼ばれている二....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
々《しし》として居る。その頃支那人が家猪を持ち来ったのを、日本人が野猪イノシシの
略語でシシと呼び、山羊をヤギと呼んだのだ。古くは野牛と書き居る。綿羊のみをヒツジ....
「目をあいて見る」より 著者:宮本百合子
ないものがあろうか。日本の反民主的な勢力は、自分の失敗をなくすのに、二つの英語の
略語を利用する。 わたしたち日本の人民は、人民の合議の上で決定される社会の運営....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いが――」 ここに斎藤が馬念と言ったのは「馬の耳に念仏」という諺《ことわざ》の
略語だと思われる。つまり眼の見えない机竜之助に掛物を見ろというのが失当であること....
「随筆難」より 著者:寺田寅彦
のはやい」なども実感を強めるための俗語として「速度の大なるすなわち運動の速い」の
略語として通用を許してもそれがために物理学は何の損害をも受ける心配はないかと思わ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ょうもう仕事に出ました。私はタバコを売ったり、電話をきいたりする。こっちの電話は
略語と専門語とがあるのでなかなかむつかしい。アクセントがちがうから、地名がはっき....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。彼は仲間の者らよりずっと放胆で、地位ある人々をけなすのを――さすがに目配せや
略語をもっておずおずとではあったが――はばからなかった。音楽の方面では、世の定説....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ないところへ漂着したものだというところに落着したのであった。 タヌとはタヌキの
略語であって、一|口《くち》にいえば、その外観がなんとなく狸に似ているという、は....
「尊攘戦略史」より 著者:服部之総
ン尊王攘夷は、たちまち、幕政を改革して大藩の権力を伸張せんとする雄藩ブロックの戦
略語として襲用された。 斉昭の尊王攘夷唱導は、たまたまその子|慶喜《よしのぶ》....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
ツメッグ少しずつとを混ぜてよく煉ってパンへ塗ります。パテミーとはパテットミートの
略語で食品屋へ行くと鶏肉ばかりでなく牛肉でも牛の舌でも野獣でも野鳥でも何のパテミ....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
ともなることは不思議でない。それでは当っておらぬと気にかけて、カガシは鹿逃がしの
略語だなどと言って見たところでやっぱり「鹿逃がし」で鴉を追うのはどういうわけだと....