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「番匠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

番匠の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
源おじ」より 著者:国木田独歩
河より海より小舟|泛《う》かべて城下に用を便ずるが佐伯近在の習慣《ならい》なれば番匠川《ばんじょうがわ》の河岸《かし》にはいつも渡船《おろし》集《つど》いて乗る....
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
人、秘密の居住者があったという事なんです」 と杏丸は懐中から、罫紙の綴りに、「番匠幹枝狂中手記」と、題した一冊を取り出した。 「とにかく、院長が書いたこの序文....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
ことがある。今度奥州の平泉に金色堂というものが出来るについて、都から大勢の仏師や番匠やいろいろの職人が下って来る。そのなかに祐慶という名高い仏師がいる。この人は....
修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
をもち、右に槌を持てば、面はたやすく成るものと思し召すか。家をつくり、塔を組む、番匠なんどとは事変りて、これは生なき粗木を削り、男、女、天人、夜叉、羅刹、ありと....
忘れえぬ人々」より 著者:国木田独歩
、あまりふけるから。まだいくらもある。北海道|歌志内の鉱夫、大連湾頭の青年漁夫、番匠川の瘤ある舟子など僕が一々この原稿にあるだけを詳しく話すなら夜が明けてしまう....
十万石の怪談」より 著者:佐々木味津三
られると同時にプツリプツリと素早く切って放たれた。 だが、不思議である。お抱え番匠万平が、これならばいか程忍びの術に長けた者であっても、決して無事には渡り切れ....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
ぬ。之は例の文化警察と風紀警察とが、特別な形でからみ合った場合の一つなのである。番匠谷英一氏の戯曲『源氏物語』は、紫式部学会後援の下に、新劇場劇団の坂東簑助等に....
怪しの者」より 著者:国枝史郎
んでした。というのは持田八郎右衛門は、船大工の棟領とはいいながら、立派な藩の御用番匠であり、ことには西丸様の今度のお企ての、大立物でありますので、その人の娘にも....
五重塔」より 著者:幸田露伴
親涙になって、おお好い児ぞと声曇らし、いきなり猪之に抱きつきぬ。 当時に有名の番匠川越の源太が受け負いて作りなしたる谷中感応寺の、どこに一つ批点を打つべきとこ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
臨幸を仰いだもので」 「そして」 「その日にそなえ、西園寺家では、ひそかに数多な番匠を入れ、数日前からお湯殿|普請などいそがせておりまする」 「はて、何でお湯殿....
母の手毬歌」より 著者:柳田国男
また手伝いにきて、なんとか安楽に住めるようなものを作りあげていたのである。大工を番匠というのは徴用工という意味であった。壁をぬる人をシャカン(左官)というのは、....
エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
いたもので、世間からも余程軽くこれを扱っていた。「鎌倉殿中問答記録」に、「鍛冶・番匠の様なる云甲斐なき者」と云い、「当道要集」に、「舞廻・猿楽等の賤しき筋目の者....