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番犬
「番犬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
番犬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
とは何の様な犬だ」と老女に問う女「はい前額に少し白い毛が有るばかりで其外は真黒な
番犬ですよ、名前はプラトと云ましてね、大層気むずかしい犬なんです、知ぬ人には誰に....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
すこしも気にしていないらしく、にやにや笑うだけで言葉もかえさず、その代り、忠実な
番犬のように名津子さんのそばから離れないのです。しかしふしぎなことに、名津子さん....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
推察した。 「ああ、いや、なんでもないことだよ」とかれは言った。「カピはりっぱな
番犬だ。あれは馬車のわきへ置かなければならん。きっとおおぜい回りへたかって来るだ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
が、私の借家の湯殿の窓が一大音響と共に内側へブッ倒れた。私は連夜徹夜しているから
番犬のようなものだ。音響と同時に野球のバットと懐中電燈を握りしめて、とびだした。....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
何か関係があるように思っている向きもありますが、実は世良田摩喜太郎が帰朝のみぎり
番犬用に買ってきたもので、ヤミヨセの行事には、噛まれる者のむごたらしい悲鳴慟哭は....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
ジョア的イデオロギーの持主ではあったが、しかし、決してブルジョア乃至は愛国主義の
番犬ではなかった。トルストイは見習士官としてセバストポールの戦争に参加したが、ガ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
、人間以上の働きをする犬だ。シェパードには専門の訓練師が必要だが、コリーの方は、
番犬に必要程度の訓練なら主人でも間に合う。時間の観念が正確だし、自分の欲望を抑え....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
せんが、とにかく日本犬は主人持ちでようやく一犬前となって、バカはバカなりに一途に
番犬の役を果す。それだけが取り柄なのだが、一生ケンメイ訓練してバカながらもレース....
「奇巌城」より 著者:菊池寛
らった。 その家は高い樹に囲まれた寂しい中にぽつんと一軒だけある茅屋であった。
番犬を繋いである犬小屋があったが、二人が近づいても犬は吠えもしなければ、身動きも....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
かけ舟の高い帆柱があちらこちらに見えていた。真夜中のひっそりした静けさのなかに、
番犬のほえる声が、ハドソン河の向う岸からさえ聞えてくるのだった。だが、そのほえ声....
「瘤」より 著者:犬田卯
感をいだいている助役の手許にだって山ほど集まっていよう)、ただそのために例の奴を
番犬の如くに考えて頼っている一部の連中、信用組合員や農会の連中、あいつらが何とい....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
キヌの妹はそんな事を云い出してきた。 情報、四 岸野の邸宅、店舗、其他には
番犬が急に殖えた、その
番犬は帽子をかぶり、剣をさげている。――こうなればハッキリ....
「カシタンカ」より 著者:神西清
まるできつねみたいな顔つきをした一匹の若い赤犬が――この犬は、足の短い猟犬と
番犬とのあいのこだが――歩道の上を小走りに行ったりきたりしながら、不安そうにあた....
「えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
もすっかり怖気ついて,すきを見て戸外へ飛び出した. ところが,犬橇の先頭犬と二
番犬がいつのまにか綱を切って戸口から内部をうかがっていたと見えて,酋長が戸外へ飛....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
は反対の裏口から庭へ廻った。日はすっかり暮れてしまって四辺はもう暗かった。大きな
番犬がどこからか出て来て、迂散臭そうに二人の後をついて来る。二人は植込みを抜けて....