» 異る

「異る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

異るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
歯車」より 著者:芥川竜之介
のように暗の中を歩いていた。が、暗のある以上は光もあると信じていた。僕等の論理の異るのは唯こう云う一点だけだった。しかしそれは少くとも僕には越えられない溝に違い....
」より 著者:芥川竜之介
の心の中に生きていると云う事から云えば、湖上の聖母は、山沢《さんたく》の貉と何の異る所もない。 我々は、我々の祖先が、貉の人を化かす事を信じた如く、我々の内部....
るしへる」より 著者:芥川竜之介
なわ》の鱗《うろこ》は如何にしたる」と。その人答うらく、「悪魔はもとより、人間と異るものにあらず。われを描《えが》いて、醜悪絶類ならしむるものは画工のさかしらな....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
は今の人の為めにだ、と。 私はそうは思わない。表現さるべき最後のものは昔も今も異ることがないのだ。縦令外面的な生活が複雑になろうとも、言葉の持つ意味の長い伝統....
新日本の進路」より 著者:石原莞爾
性と地方性の協調によつて進まねばならぬ。東亞の文化の進み方には、世界の他の地方と異る一つの型がある。故に統制主義日本を建設するに當つても、そのイデオロギーは東亞....
清心庵」より 著者:泉鏡花
もまたしばしばくらべ見つ。摩耶と二人いま住まえる尼君の庵なる筧の水もその味これと異るなし。悪熱のあらむ時三ツの水のいずれをか掬ばんに、わが心地いかならむ。忘るる....
人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
切った皮膚と筋肉とを左右に開いた。これは洋服の釦を外して両方へ展げるのと、なんの異るところもない。洋服の場合は、その下から襯衣が見えてくる代りに、この屍体の場合....
深夜の市長」より 著者:海野十三
んど同じような感じのする高塔が、庭園の中央に高々と聳えていたのだった。ただ烟突と異るところは、この高塔には方々に窓がついていた。そして見上げると、遥か上の方の窓....
気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
ある事、等々です。で、ここでひとつ、手近な処から片附けて見ると、二つの屍体に於て異る兇器が与えられたと言う事実は、先ず、犯人が別々に時間を隔てて二人を殺害したか....
異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
都市で本家争を起すべきである。コトレツ・ミラネーズとウィンナー・シュニッツレルの異るところは前者は伊太利風のマカロニかスパゲチを付け合せとして居り、後者が馬鈴薯....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
、鏡のうちにうつっていた一切のめずらかなる物を持ち去って、鏡の外にある物となんの異ることもなくなってしまった。それを見て彼はいったん失望したが、彼女はきっと再び....
自由なる空想」より 著者:小川未明
いうものはあり得ないが、それを自覚すると、せざるとによって、その人に対する印象が異るであろう。 これに較べて、無名の自適な詩人に、また田舎で暮す百姓の中に、誠....
新童話論」より 著者:小川未明
海と、南方の海とは、色彩、感覚、特性等から、その人々に与えつゝある影響に至るまで異るのであります。従って、その地方の子供達が海洋に対する空想、憧憬は、決して同じ....
南極の怪事」より 著者:押川春浪
巨船中のものはただに人間のみならず、珍宝も貨財もすべてあらゆる物、昔の形と少しも異る処なく、実に美わしき一種の固形体と化して残りおるなり、されど余はそれらの物を....
書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
いが、一応は述べなければならないことだ。日本はその過去の本に於ては、西洋本と甚だ異る綴本装幀をもっている。巻物形式までは略同様であったが、綴本形式になってからは....