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異人
「異人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
異人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「片恋」より 著者:芥川竜之介
、まだ活動写真に惚《ほ》れた芸者はいなかろう。
「そうすると、向うから、小さな女
異人が一人歩いて来て、その人にかじりつくんです。弁士の話じゃ、これがその人の情婦....
「出帆」より 著者:芥川竜之介
にもある。ことに、フロックコオトに山高帽子《やまたかぼうし》をかぶった、年よりの
異人《いじん》が、手をあげて、船の方を招くようなまねをしていたのは、はなはだ小説....
「地球盗難」より 著者:海野十三
者は声を嚥んだ。 「うん、辻川博士だったネ。それから?」 「辻川博士は何か分らぬ
異人語で船長と話をしていたが、相談がまとまったものと見え、その三つの籠をわし等に....
「食魔」より 著者:岡本かの子
の置ものにまで塵除けの布ぶくろが冠せてある。まるで座敷の中の調度が、住む自分等を
異人種に取扱い、見られるのも触れられるのも冒涜として、極力、防避を申合せてるよう....
「春昼」より 著者:泉鏡花
緑に美い白波が薄りと靡く渚のあたり、雲もない空に歴々と眺めらるる、西洋館さえ、青
異人、赤
異人と呼んで色を鬼のように称うるくらい、こんな風の男は髯がなくても(帽子....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
れるのだ。 日の暮れるのを、異様な一団は待っていたようである。暮れると同時に、
異人《いじん》の中から一人が立ち上った。と、彼のからだがほたるいかのように光った....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
た。うまいことをいいやがる。英国人は英語がうまい。今日は宿の前で滑った。今日きた
異人は独二人、英二人だ。盛んにドイツ語の会話をやるがなかなかうまいもんだ。ドイツ....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
気が変ったから今度は須田町で乗換えて、丸善へ行った。行って見ると狆を引張った妙な
異人の女が、ジェコブの小説はないかと云って、探している。その女の顔をどこかで見た....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
は、一体どんな関係に置かれているのだろうか。 発音が同じで、文字が違う同発音|
異人という者もないではないが、仏天青という文字以外に、常識的に使われる文字は、そ....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
い銘仙絣の単衣を短かく着て帯の結びばかり少し日本の伝統に添っているけれど、あとは
異人女が着物を着たようにぼやけた間の抜けた着かたをして居る。 ――ね、あんたア....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
二 その間に川向うには三面の里人が、異様な風俗で多数現われた。不意に
異人種が襲来して来たように、敵意を含んで見るらしかった。いくら呼んでも丸木船が有....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
のアンリーのところを逃げ出す前にお京さんは加奈子にこういったことがあった。 ――
異人さんと一緒にいると始終用心してなきゃならないのよ。いつ唇が飛びかかって来るか....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ても、根が同文同種同宗教の兄弟国だから、率となれば平時の葛藤を忘れて共通の敵たる
異人種異宗教の国に相結んで衝るは当然あり得べき事だ」と、人種競争の避くべからざる....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
入ると、四、五人の子供が出て来た。いずれも目を大にして私を見上げ見下している。「
異人だ
異人だ」というのもある、「アンだろう」というのもある。無遠慮な一人はズカズ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
開地たるを知るべし。一時はこの界外に日本人千人以上寄留して労働に従事したりしも、
異人種排斥のために、今日残留せるものわずかに数十人に過ぎず。その当時はわが領事館....