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異人館
「異人館〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
異人館の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ながら訊いた。 「事によっちゃあ踏み出してもいいが、一体どんな筋だ」 「居留地の
異人館の一件ですがね、去年の九月、男異人ふたりと女異人ひとりが江戸見物に出て来て....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
込んで来た以上、ただ手ぶらでも引き揚げられねえ。そこで、三五郎。近い頃にどこかの
異人館で物をとられたことはねえか」 「そうですね」と、三五郎は又もや首をかしげた....
「足迹」より 著者:徳田秋声
んを私に預けておおきなさい。ろくなお世話も出来やしないけれど、どこかいいところへ
異人館へ小間使いにやっておけば、運がよければ主人に気に入って、西洋へでも連れて行....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ぎ出し、今日も主膳に向って、こんなことを言いました、 「あなた、築地《つきじ》へ
異人館が出来たそうですから、見に行きましょうよ」 「うむ……」 「たいしたもので....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
した」 裏木戸は苦もなく開放されて、 「どうして、ここがわかったの」 「築地の
異人館で聞いてまいりました」 「
異人館で……」 さすがのお絹も、忠作のたずねて....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
けたままです。 三十 お絹の世話で、砂金掘りの忠作は、ついに
異人館のボーイとして住込むことになりました。 ここで、親しく異人の生活の実際に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
誘惑に乗ってしまいました。 七十 同じころおい、江戸の築地の
異人館のホテルの食堂に、卓《テーブル》を前にして、椅子の上にふんぞり返っていると....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を逞《たくま》しうする。
今日は、この場にお絹がいない――酒がない。
お絹は
異人館へ泊り込んでいる。
酒類は一切隠されている。使を走らせても、近いところの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
国野蛮アリマス――こうぬかしやがるのが癪《しゃく》なんでげして」 「ふーん」 「
異人館なんぞへまいりますと、テーブルの上で毛唐の奴がよくこんな噂《うわさ》をぬか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
芸事できない国野蛮アリマス、こう吐《ぬか》しやがるのが癪《しゃく》なんでげして、
異人館なんぞへまいりまするてえとテブルの上で、毛唐の奴がよくこんな噂を吐しやがる....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
文字のはいった赤い缶入《かんいれ》を横目に見て、吐き出すように、 「あいつ、また
異人館か」 それもその通り、このごろのお絹は、
異人館へ入りびたりの体《てい》で....
「安吾下田外史」より 著者:坂口安吾
に腫物があるというのを理由に三日で宿へ下らせた。お吉から腫物が治ったし、いったん
異人館の門をくぐった以上人が相手にしないからという理由で重ねて奉公を願いでたが、....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
った。 三 その建物の内へはいり、座敷の様子を眺めた時、お島は
異人館へ来たのかと思った。 瓔珞を垂らした切子形の、ギヤマン細工の釣り灯籠が、....
「経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
見物ということが一種の流行であった。去年の安政六年に横浜の港が開かれて、いわゆる
異人館が続々建築されることになった。それに伴って新しい町は開かれる、遊廓も作られ....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
て驚き騒げる様を描きしものあるを記憶す。横浜の居留地|漸《ようや》く繁華となるや
異人館にて異人飲食遊歩の光景、または遊廓にて異人遊興の状を描けるもの続々として出....