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異例
「異例〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
異例の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
「時代は十六世紀の中葉フェリペ二世朝だが、この一つは、淫虐的な嗜血癖の、むしろ
異例的標本とでも云うものなんだ。西班牙セヴィリアの宗教裁判所に、糺問官補のフォス....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
のは身長及一般の体格から推測したので、骨格の構造と乳線から女子と断定したのです。
異例を考えれば十六歳位とも見られない事はありますまいが、私は検案書の如く推定いた....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
たくないと思う人が触れずに住みうる程度に秩序が保たれていることは、敗戦国としては
異例の方だと云い得るだろう。 裏側と表側の接触混合という点では、パンパン泥棒の....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
マ根性の逞しい作家は、作家的にも逞しいのが通例で、小林と福田は、日本の批評家では
異例に属する創造的作家であり、その人生を創造精神で一貫しており、批評家ではなくて....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
る。 鶴見ははからずもこの事に感興を得て、数日の後に一篇の古調を賦した。全くの
異例である。病人に食慾が出てきたようなものだといえばそれまでであるが、鶴見はそれ....
「競漕」より 著者:久米正雄
の意味で窪田が特別に一人約二合ほどの酒を許した。合宿で公然と酒を飲ませるのは真に
異例であった。今まで選手の誰れ彼れことに二番の早川などが秘密に酒を飲んで来たこと....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、死後に乾燥するのが通例だろう。だが、二時間やそこいらで斯んなに酷いのは、恐らく
異例に属する事だぜ。それに、眼球の上に落ちた血滴が少しも散開していない。そうする....
「鷲」より 著者:岡本綺堂
がって来る筈がない。けさ三羽の仔鷲が相前後して飛んできたのは、一季に一度ぐらいの
異例といってよい。それを撃ち洩らした以上、この後は三日目に一羽来るか、七日目に一....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
、自動車にひかれたりした年。 四十四が精神病院入院の年。 こんな常軌を逸した
異例の人間の一生は、公約数から割りだせる筈はないし、そんな
異例なところまで易が見....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
も、御湯浴、御召替、御食事など、お側小姓も、お付女中も、手の出しようが無い為に、
異例では有るが本陣の娘、宿役人の娘など急に集めて、御給仕だけはさせたのであった。....
「想像と装飾の美」より 著者:岸田劉生
物象の形によって内なる美を先ず醒まされるのが多い。恐らく十中八位までそうで少数の
異例が夢幻的な美を幼い時から内に感じるのである。 かくて一般的には写実の道を執....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
に、エスプリがないと思ったことが、相手の唇からはなれる動機になるというのは、些か
異例であろう。すくなくとも、相手の女性に対して失礼であろう。 しかし、冴子はそ....
「好色破邪顕正」より 著者:小酒井不木
りましたから、署長に願って見ることに致しましょう。素人を捜査に加えるということは
異例ですが、如何なる手段を講じてでも、早く犯人さえわかればよいのですから、署長も....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
興行ではなかったが、それにしても素人の書いたものが舞台にのぼせられるというのは、
異例の出来事として世間の注意をひいた。しかもそれらはいずれも原作そのままを上演さ....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
合うために二十分ほどの時間を与えて議場内でお互に意見の交換する事が出来た。これは
異例のことだそうである。しかも上院、下院議長共に歓迎の辞の中で「君たちを迎えるの....