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「異国人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

異国人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蘭学事始」より 著者:菊池寛
御用を弁じておるのでござる。彼《か》の国の言葉を一々に理解いたそうなどは、われら異国人には、所詮及ばぬことでござる。例えて申そうなら、彼《か》の国のカピタンまた....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
女も顔を赧らめることが少しで済んだ。こういう下卑た人間の前では、女というものは、異国人の前に於けるように、いくらか羞恥心を忘れるものであろうか。ともあれ、彼女は....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ばかりではなかった。それは日本人の首とはみえなかった。髪の毛の紅い、鬚のあかい、異国人の首であるらしいことを知った時に、かれらは一倍に強くおびやかされたのであっ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
かし高島の祖父という人は久しく長崎に詰めていたことがあるから、おそらくその当時に異国人からでも手に入れたものであろうとのことであった。泥鮫は金になるから売ってし....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
加えて、当主|旗太郎以外の家族の中に、門外不出の弦楽四重奏団を形成している四人の異国人がいて、その人達が、揺籃の頃から四十年もの永い間、館から外へは一歩も出ずに....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
開かせようとした人ではなかった。相応に日本を知り、日本の国情というものをも認め、異国人ながらに信頼すべき人物と思われたのもハリスであった。国を開くか開かないかの....
霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
》する知識がなかったけれど、幸いというか、隆夫は今たましいの状態にいるので、彼ら異国人の話すことばの意味だけは分った。 そして、ついにこの場所がどこであるかと....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
びもつかぬほど自分がおくれたことを知った。幾何や物理や英語、それだけでもいまでは異国人のように差異ができた、こうして自分が豆腐屋になりだんだんこの人達とちがった....
雪の日」より 著者:岡本かの子
た。彼等の多くは実に無邪気で明るい。トラックの上にかたまって乗っている労働者達が異国人の私達に笑いかけながら手を振って通り過ぎる情景などに幾度接したかわかりませ....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
家もなく、又はムシロの小屋にすみ、自らのすむクラヤミのジャングルを平和にたもつ異国人こそ、悲しく、痛々しく、可憐ではないか。私は彼らを愛す。彼らの仕事には目を....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
知るに特別の便宜あり。左手に、小指クスリ指の二本なく、三本指の由なれば、いずれの異国人なりとも真偽を立つるは易しと云えり」 これを見ては、さすがの通太郎が顔の....
心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
の未亡人とその子と称するビルマ人に乗りこまれては迷惑だ。たとえ父の道具にすぎない異国人でも、かりにも兄の未亡人とその子とあっては自分たちに都合のよくなるはずはな....
人狼」より 著者:岡本綺堂
せん。神さまのお指図です。 (モウロは両手を拡げて、おいよを遮る。おいよは相手が異国人なることを覚って、倒れながらにその顔をみあげる。薄月の影。水の音。) ――....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
も来わせた。亀田新九郎、横井弥兵衛などという若侍も出て来た。かれらは怪しい眇目の異国人を押っ取りまいて、いよいよ厳重に詮議をはじめて、結局は敵の間者か細作のうた....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
は一種の自己限定であるともいえるし、自己分裂であるともいえるであろう。何故ならば異国人が私どもの歌を指して「日本の歌」というのならば事は別であるが、自から自分の....