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異国情調
「異国情調〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
異国情調の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
始終貨幣一枚一枚の重さを計って支払いするような注意をしていた。それだのに目の前に
異国情調の豊かな贅沢品《ぜいたくひん》を見ると、彼女の貪欲《どんよく》は甘いもの....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
った。両側の飲食店からは、絃歌の音がさんざめき、それに交って、どこの露地からも、
異国情調の濃い胡弓の音や騒々しい銅鑼のぶったたくような音が響いて来た。色提灯を吊....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
も、その上衣から発散することが判ってきた。それにしても、いい匂いだが、なんという
異国情調的な香なんだろう。私の手は無意識に伸びて、その上衣のポケットを、まさぐっ....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
。折々「チー」や「ポン」の懸声があちこちに起り、またガチャガチャと牌をかきまわす
異国情調的な音が聴えて来ました。どうしても来ない客が二人ほどあったために兄夫婦は....
「ロンドン一九二九年」より 著者:宮本百合子
国で日本人は違う。日本人のまんまさすらい廻って巴里《パリー》でのように皮膚黄色き
異国情調を売っておられぬ。英語の夢でうなされなくなった時、下宿の晩餐にいちいち襟....
「プロレタリア文学における国際的主題について」より 著者:宮本百合子
つつあるのだ。 群司次郎正という大衆作家がある。彼はよみ物提供の種をさがしに、
異国情調、国際的背景を求めてハルビンへ出かけていた。すると、奉天のパチパチが起っ....
「春桃」より 著者:宮本百合子
度哲学の教授であるというのは面白い。余技のように作品を書いて来ていて、初めの頃は
異国情調や宗教的色彩の濃いロマンティシズムに立つ作品であったという人が、一九三四....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
白堊ビルがクッキリと暗闇に聳えたっているのが見えた。このあたりには今も明治時代の
異国情調が漂っていて、ときによると彼自身が古い錦絵の人物であるような錯覚さえ起る....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
なり広い食堂兼客室へ来ると、そのあたりの光景が急に広くなったのと、その室が有する
異国情調――実は自国情調とでもいったものに刺戟されたのか、いよいよいい気持になっ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ドロス上りだから、高尚な音楽の趣味があるはずはないけれども、粗野と、低調ながら、
異国情調を漂わせて見せるだけは本物です。 これがもゆる子の拗《す》ねた病床を大....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
その時分の人を天上界の夢の国へ持って行くほどに、恍然魅了《こうぜんみりょう》した
異国情調を細かく描写してみたところで、その時分の人の驚異は、必ずしも今日の人の驚....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
相当鋭敏でなければならないはずだが、それはさいぜん会話の時のように黒船の誘惑と、
異国情調の煽動に乗せられた点もあるかも知れないが、他の大きな原因は、お松という同....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
の国ともおさらばだ。東洋と西洋とを一つに蒐めて亜弗利加の風土を取り入れたような、
異国情調のきわめて深い世にも懐しい西班牙を立って明日は沙漠へ向かわねばならぬ。支....
「国枝史郎氏の人物と作品」より 著者:小酒井不木
って一層尊敬の念を増し、なお、それらの作品に於て、心ゆくまでに出し得た氏の才筆と
異国情調を羨んだ。 それ以後、私は氏と交際を願って今日に及んでいるのである。そ....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
ど日本の内地と異わりが無い程内地化されていると思ってくれたまえ。 だから此処で
異国情調を味わおうと心掛けたら稍失望しなければなるまい。 その代わり此処は上海....