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異存
「異存〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
異存の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
た上、月々文太郎の養育料として若干の金を送って貰う、――彼はこういう条件に少しも
異存を唱えなかった。のみならず妾宅に置いてあった玄鶴の秘蔵の煎茶《せんちゃ》道具....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ないものだけである。
×
何《なん》びとも偶像を破壊することに
異存を持っているものはない。同時にまた何びとも偶像になることに
異存を持っているも....
「少年」より 著者:芥川竜之介
だけ見た大人《おとな》の誤りである。これは誰でも彼のように海水浴をしさえすれば、
異存のない真理に違いない。海は実は代赭色をしている。バケツの錆《さび》に似た代赭....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
のはいつも英語の本ばかりだった。
偶像
何びとも偶像を破壊することに
異存を持っているものはない。同時に又彼自身を偶像にすることに
異存を持っているもの....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
この中に埋めてある、見に来てくれと云いました。男は欲に渇《かわ》いていますから、
異存《いぞん》のある筈はありません。が、女は馬も下りずに、待っていると云うのです....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
うに、往来《おうらい》の前後を見まわし始めた。犬の真似《まね》をすることには格別
異存はないにしても、さすがにあたりの人目だけは憚《はばか》っているのに違いなかっ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
で、河野さんの方も申分も無い御家です。実際、願ってもない良縁で、もとよりかれこれ
異存のある筈はありませんが、ただ不束な娘ですから、」 「いや、いや、」 と頭を....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
うとするものだといわれなければならぬ。この問題を私がこのように抽象的に申し出ると
異存のある人はないようだ。けれども仮りにニイチェ一人を持ち出して来ると、その超人....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
生まれた人です。天台大師が立てた仏教の組織は、現在でも多くの宗派の間で余り大きな
異存はないのです。 その次の像法の後の五百年は多造塔寺の時代、即ちお寺をたくさ....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
て、きっぱり自分だけの料簡を定めて省作に手紙を送ったのである。 省作はもとより
異存のありようがない、返事は簡単であった。 深田にいられないのもおとよさんゆえ....
「恐竜島」より 著者:海野十三
名であった。 まず、団長のセキストン伯爵はくじびきぬきでくわわることに、だれも
異存《いぞん》はなかった。 ツルガ博士《はかせ》。これは熱心な考古学者であった....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
れは、仏天青氏なのか、それとも他人なのか?) アンは、自分が仏天青であることに
異存はなかった。ブルート監獄の看守も「ミスター・F」と呼んでくれた。アンと一緒に....
「露肆」より 著者:泉鏡花
預っておくんじゃからあ、」 と俯向いて、唾を吐いて、 「じゃから諸君、誰にしても
異存はあるまい。宜しゅうございます。行っていらっしゃいと云うて、その金子を請取っ....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
てくる一貫せる理想に依て家庭を整へ家庭を楽むは所有人事の根柢であるというに何人も
異存はあるまい、食事という天則的な人事を利用してそれに礼儀と興味との調和を得せし....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
いことが世界の常識となりつつあった。 日本の対ソ兵備は次の二点については何人も
異存のないことである。 1 ソ連の東亜に使用し得る兵力に対応する兵備。 2 ソ連....