異性[語句情報] » 異性

「異性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

異性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
の姿を見ると、ちょいと媚《こび》のある目礼をした。洋一はその看護婦にも、はっきり異性を感じながら、妙に無愛想《ぶあいそう》な会釈《えしゃく》を返した。それから蒲....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
るものである。」 しかしこのチエホフの言葉は男女とも年をとると共に、おのずから異性との交渉に立ち入らないと云うのも同じことである。これは三歳の童児と雖《いえど....
或る女」より 著者:有島武郎
はそんなみだらな未練があるはずだ。男の心とはいうまい、自分も倉地に出あうまでは、異性に対する自分の愛を勝手に三つにも四つにも裂いてみる事ができたのだ。……葉子は....
星座」より 著者:有島武郎
おぬいさんを要するわけではない。おぬいさんはたびたび俺に眼を与えた。おぬいさんは異性に眼を与えることなどは知らない。それだから平気でたびたび俺に眼を与えたのだ。....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
かつ全体的なものである。同性間の愛にあっては本能は分裂して、精神的(若し同性間に異性関係の仮想が成立しなければ)という一方面にのみ表現される。親子の愛にしても、....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
ンサ・ガールに過ぎなかった。殺人がなかったことと、それとが、今度の事件の二つの特異性だったとでも、こじつけ迷説を掲げて置くかね。はっはっは」....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、それを嗅ぎわける、鋭い鼻のようなものです。常人には、嗅いでもわからないのに、特異性をもった紅子のような霊媒を使うと、わかるんです」 「帆村君は、それで、何を発....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
うほどのものではありませんが、この死者の身体を見ますと、普通の人には見られない特異性があるように思うんです。例えば、中毒症といったようなものがです」 「そうです....
自叙伝」より 著者:大杉栄
。が、その恋ももう堕落した。僕等三人の間には、友人または同志としての関係よりも、異性または同性としての関係の方が勝って来た。そしてその関係がへたな習俗的なものに....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
をかけて来た転機の小初は、翡翠型の飛込みの模範を示す無意識の中にも、貝原に対して異性の罠を仕込んでいた。子供のうちから新|舞踊を習わせられ、レヴュウ・ガールとも....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
させ、思い止まらすべくもないのだった。 「生理的から云っても、生活的からいっても異性の肉体というものは嘉称すべきものですね。いま、僕に湖畔の一人の女性が、うやう....
時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
ルモノ。 とある。 冗談じゃない。この説明にあるような柱時計は、すぐ一目で特異性を看破し得らるるような、どこにもここにもあるという物品ではないというわけでは....
異性に対する感覚を洗練せよ」より 著者:岡本かの子
く磨きをかけさせたく思う。色調、形式美、音等に対する感覚ばかりでなく対人的、殊に異性に対する感覚をもっと洗練させ度い。 この点、まだ現代の女性はイージーでセン....
決闘場」より 著者:岡本かの子
れて来たのであった。乗換えや色々で小一時間の行程と、絶えず左右から挟まれて感ずる異性の漠然とした刺戟のために、彼女は可なり疲れて居た。露骨なワルトンよりも落ち付....
高原の太陽」より 著者:岡本かの子
感が、むしろ上品に青年の態度や雰囲気をひきしめているのかも知れない。 「やっぱり異性同志に、そういった種類の交際を望むのです。少くとも僕は」 それからしばらく....