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疎隔
「疎隔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
疎隔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
ある。自分に近接している「町風《まちふう》」は「いき」として許されるが、自分から
疎隔している「屋敷風」は不意気である。うぶな恋も野暮である。不器量な女の厚化粧も....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
めて、かの強権と我々自身との関係を考えてみるならば、かならずそこに予想外に大きい
疎隔《そかく》(不和ではない)の横たわっていることを発見して驚くに違いない。じつ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
目すべきであろう。したがって、旗太郎対三人の外人の間には、すでに回復し難い程度の
疎隔を生じているけれども、何よりこの一つの大きな矛盾だけは、どうすることも出来な....
「鳥羽伏見の戦」より 著者:菊池寛
形勢|暗澹たるを憂いた尾、越、土の三侯は、慶喜が大阪にいては、いよいよ朝幕の間が
疎隔するばかりであるから、再度おだやかに上京したらどうかと、勧説したが、幕府側の....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
。彼は驚いた様な顔をして居る故人を片隅に引のけて、二分間の立話をした。彼は従来の
疎隔を謝し、自愛を勧め、握手して別れた。これが最始の接近で、また最後の面会であっ....
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
少しも満足させてはいない。だからこの道徳程人間の社会生活の正直な佯らない興味から
疎隔したものはない。道学者や腐儒や法律の学者の類が、俗物から軽蔑される所以が之な....
「相対性原理側面観」より 著者:寺田寅彦
なければ畢竟無理解|没分暁の親爺たる事を免れ難いかもしれない。ましてや内部生活の
疎隔した他人はなおさらの事である。 科学上の、一見簡単|明瞭なように見える命題....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
級対立をなしている。それは新しい産業制度(工場委員会・生産者会議・等々)に対する
疎隔感や、労働者に対する敬遠という、旧技術家の意識の内部に見られるばかりではなく....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
が、これは別に負傷者を出さなかったらしい。併しとに角、事毎に警察官と大衆との間へ
疎隔を来し勝ちなのは遺憾至極と云わねばなるまい。何とか両者を、丁度労資協調や労働....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の時計には半を報ずる装置はなかったのである。 それから、朔郎の饒舌が胎龍夫妻の
疎隔に触れて行って、散々夫人の柳江を罵倒してから、最後に頗る興味のある事実を述べ....
「競漕」より 著者:久米正雄
あった。しかし高等学校の時からしばしば敵対の地位に立たせられて来たので、何となく
疎隔されてしまい、今では二人はまるで外出行きの話しかしなくなってしまった。二人は....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
師恩、一飯の恩という事もあり、主従師弟の厳ましかった時代だから、両者の関係が漸く
疎隔して馬琴の盛名がオサオサ京伝を凌がんとすると京伝側が余り快く思わぬは無理もな....
「審判」より 著者:カフカフランツ
類をくまなく探り、多年この自分とほとんど友達同然になっている顧客に応接し、自分と
疎隔させ、そればかりでなくさまざまな失策さえも暴露する有様が、眼に見えるように思....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
けないものがあったにちがいない。それがなんだろうとも、ともかく彼らの間に、深刻な
疎隔が生じたのは事実である。表面だけの尊敬と愛情とは形を保っていたが、ベエコンた....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
の注ぐところの同情を、この継母と継子とが持つことができましたならば、いかに意志の
疎隔していた間でも、必ずまるく納まるに相違ありますまい。母はひがんだ娘を憎む前に....