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疑う
「疑う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
疑うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
に転じると、たちまち冷ややかな微笑が、くちびるをかすめて、一過した。
「そんなに
疑うのなら、いい事を教えてあげましょうか。」
「いい事?」
「ええ」
女は、顔....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
の関係上、どうしても見ることは出来なかった。ただその大きい目前《もくぜん》の影は
疑う余地のない坊主頭《ぼうずあたま》だった。のみならずしばらく聞き澄ましていても....
「河童」より 著者:芥川竜之介
かも疑問になっている動物です。が、それは僕自身が彼らの間に住んでいた以上、少しも
疑う余地はないはずです。ではまたどういう動物かと言えば、頭に短い毛のあるのはもち....
「彼」より 著者:芥川竜之介
ねたりした。
「Xは女を知っていたかしら?」
「さあ、どうだか……」
Kは僕を
疑うようにじっと僕の顔を眺めていた。
「まあ、それはどうでも好《い》い。……しか....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
《ほうこう》を聞いて、願《ねがわ》くは降臨を賜え。――猶予《ゆうよ》未だ決せず、
疑う所は神霊に質《ただ》す。請う、皇愍《こうびん》を垂れて、速《すみやか》に吉凶....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
ろしいものでございましょうか?」
「うむ、上を欺いた……」
それは実際直孝には
疑う余地などのないことだった。しかし家康はいつの間《ま》にか人一倍大きい目をした....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
と認められている無数の史料か、あるいは今見て来た魁偉《かいい》な老紳士か。前者を
疑うのが自分の頭を
疑うのなら、後者を
疑うのは自分の眼を
疑うのである。本間さんが当....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
李小二は、陶朱《とうしゅ》の富を得た。偶《たまたま》、その仙人に遇ったと云う事を
疑う者があれば、彼は、その時、老人に書いて貰った、四句の語を出して示すのである。....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
一しきりはまるで嵐のような、混乱の底に投げこまれてしまった。
彼は彼自身の眼を
疑うように、一刹那《いっせつな》は茫然と佇《たたず》んでいた。が、たちまち大刀を....
「少年」より 著者:芥川竜之介
癇癪《かんしゃく》を起して彼の「浦島太郎」を引き裂《さ》いた後《あと》さえ、この
疑う余地のない代赭色の海だけは信じなかった。……「海」の話はこれだけである。もっ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
気などにも肉体的享楽の存することは寒中水泳の示すところである。なおこの間の消息を
疑うものはマソヒズムの場合を考えるが好い。あの呪《のろ》うべきマソヒズムはこう云....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
で、髪を切っているものでござる。」
男は、しわがれた声で、こう答えた。
もう
疑う所はない。宗賀は、すぐに人を呼んで、この男を厠《かわや》の中から、ひきずり出....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
い習慣がつかないで、すらすらと出るようになる。 「決して他人の言うてくれる批評を
疑うな。」 姪のライド嬢はしばらくファラデーの所に厄介になっていたが、その話に....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
びとのなかには、彼が事件をもっとくわしく知っているのだが、話そうとしないのだ、と
疑うものもあった。 しかし、田舎の老婆たちは、こういうことについては最上の審判....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
いるかどうかを誰が知ろう。 八月十日―― 誰が知ろう。私を、この私を、誰かが
疑うだろうか。ことに私には殺すべき何等の理由もない人を私が選んだ場合、誰かが私を....