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「疑り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

疑りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒百合」より 著者:泉鏡花
ましたのでございましょう。」 「何かね、全くそんな不思議な処かね。」 「貴方、お疑り遊ばすと暴風雨になりますよ。」といって、塗盆を片頬にあてて吻々と笑った、聞え....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ざいました。 なお怪しいでございましょう……分けて、旦那方は御職掌で、人一倍、疑り深くいらっしゃいますから。」―― 一言ずつ、呼気を吐くと、骨だらけな胸がび....
青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
り気持ちがよくないのでしょう。さっぱりした人だったのに、急に気難しくなり、大変に疑りっぽくなって、百合子が外出から帰れば吉川に逢いに行ったんだろうと誤解するし、....
機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
照れて横を向きたくなるじゃありませんか。 『疑っていらっしゃるでしょうね。またお疑りになるのが当然なんです。私が故意と皆にそう思わせるように仕向けているのだ、と....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
たとさ。」 「あ、あの犬が……。可哀想にねえ。お前、ほんとうかい。」 「この人は疑り深いね。ここらじゃア今朝から大評判だわ。それを知らない様じゃア、お前さんは馬....
審判」より 著者:カフカフランツ
前ですか?」と、Kはきいた。 「そうですとも」というのが返事だった。「どうしてお疑りになるんですか?」 「お名前をお隠しになる理由がおありだろうと思いましたんで....
光の中に」より 著者:金史良
なったのはそれ以後のことである。 成程そう考えてみれば、ずっと以前から彼は私を疑りの目で監視しながらつきまとっていたようであった。時々私が言葉尻などにひっかか....
血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
不意に枕許で呼ぶ声がするので、ひょいと頭を上げると、下宿のおかみが蒼い顔をして、疑り深かそうな眼で、じッとこちらを見詰めている。どうも只ならぬ気色なので、私は寒....
黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
変に懐疑的なオド/\した人物ではあったが、色白の細面にはどこか貴族的な品位があり疑り深そうな大きな眼のうちには、同時に考え深そうな哲学者の閃めきがあり、時に物怯....
ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
さんは案外落ち着いているわ。『僕こそ君が何をしても知らなかったのだよ』 二人で疑りっこしているのだわ。あたし二人ともよく寝ていた事は知っているのだから、喧嘩に....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
田に書かした手紙を真向から信じないのではないと思う」 「僕もそう思うよ。きゃつは疑り深い性質だから、安心の為にこんな手紙を寄越して、会見の場所を変えたのだろう」....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
、いいですか、こいつをいい張るのが何よりの大事です。いい張って、いい張りまくる、疑りながらも、やっぱりそうでもねえのかな、と、人間てえものは必ずそう考える動物な....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
皇をロボットにして、号令を行う。そういうロボットを政治の前提として承認し、これを疑り、改良することを忘れている日本人の蒙昧が、この事件の性格でもあるのかも知れな....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
要するものであるが、それを最も簡単に破らせ易いキッカケとなるのは、親がそのことで疑りすぎてヤケを起させた場合。娘の方もいくらか悪いところがあるようだ。なぜならヤ....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
練してバカながらもレースをやることだけは一ツ覚えに覚えこんだとなると、主人もちで疑り深くて誰にもなれない根性を忘れて、番犬というたッた一ツの取柄の方がなくなって....