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疑り深い
「疑り深い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
疑り深いの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
ほか何一つすら著いていなかった。
鼻息の荒いお島たちは、人の気風の温和でそして
疑り深いN――市では、どこでも無気味《ぶきみ》がられて相手にされなかった。一月二....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
田に書かした手紙を真向から信じないのではないと思う」 「僕もそう思うよ。きゃつは
疑り深い性質だから、安心の為にこんな手紙を寄越して、会見の場所を変えたのだろう」....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
、妙な挨拶だな。確かにこの児そのほうの娘かと、きいておるのじゃ」 「マア、妙にお
疑り深いお言葉。誰がなんと申しても、このお美夜はわたくしの一人娘、わたくしはお美....
「北国の人」より 著者:水野葉舟
私だって変なものを見たことがあります。」 とおぼえず口走ったが、あとから、妙に
疑り深い目をして、私を覗うように見る。……そのくせ、私が気の付かない顔をすると、....
「白い壁」より 著者:本庄陸男
かね?」と校長が訊ねた。 「壁はまっ白にしなきゃならんですからね――」 冷然と
疑り深い眼を角立てていた校長は、いかにもわざとらしく神妙をよそおって各自の席につ....
「旅へ出て」より 著者:宮本百合子
持がする事だ。 十五六の娘達は皆大変色が黒い、そして濁った声と、棒の様な手足と
疑り深い眼を大方の娘がもって居た。 名をきいても返事もしないし、笑いかけてもす....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
人のりっぱな夫人が、硬《かた》い衣摺《きぬず》れの音をたててはいって来た。彼女は
疑り深い眼付であたりを見回した。もう若くはなかったが、まだ袖《そで》の広い派手な....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
かなかった。彼はそれに気を悪くすることができなかった。それほど彼女の手は、少年の
疑り深い自尊心を繰縦するのに、軽妙で用心深かった。彼女はまた、それとなく彼に文学....
「山の神殺人」より 著者:坂口安吾
頭には小野の言葉がしみついていた。 「いまに血の雨が降らねばよいが……」 あの
疑り深い刑事でも、ヒサのことでは血の雨が降りそうだと考えているのである。 「こい....
「植物人間」より 著者:蘭郁二郎
りましょうか」 と問いかけた。しかし胡麻塩の男は、それを聞き流して、もう一度|
疑り深い眼つきで川島を見廻してから 「ない、村なぞは無い」 「ほう――」 川島....
「魔都」より 著者:久生十蘭
しめ、
「逃げる?……冗談いうなよ。逃げる気ならアドなどやるもんか。どうしてそう
疑り深いんだろうなア」
と、がっくりとなって咽び泣いていたが、またしても臆病そ....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
しょうが、あたし、こんなむずかしい英文は読めないから」 「あなたって、思いのほか
疑り深いのね。それじゃ、あたしたちのすることが、信用できないと言っているみたいじ....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
たとさ。」 「あ、あの犬が……。可哀想にねえ。お前、ほんとうかい。」 「この人は
疑り深いね。ここらじゃア今朝から大評判だわ。それを知らない様じゃア、お前さんは馬....