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疑惑
「疑惑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
疑惑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
《りゅうほんじ》の門前を、ありありと目に浮かべた。そうして、それと共に、恐ろしい
疑惑が、突然として、彼を脅かした。沙金《しゃきん》はこの男と腹を合わせて、兄のみ....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
《おびやか》したのはただ何とも知れない不安な心もちでございましたが、その後はある
疑惑《ぎわく》が私の頭の中に蟠《わだかま》って、日夜を問わず私を責め虐《さいな》....
「春」より 著者:芥川竜之介
り焦点の合ったことはなかった。広子はその意識と共にたちまち篤介との関係にも多少の
疑惑を抱き出した。
「あなたもそこへ行ったことがあるの?」
「ええ、たびたび行っ....
「影」より 著者:芥川竜之介
路を歩く資格は、おればかりにある訳じゃあるまいし。」
陳はこう心の中に、早くも
疑惑を抱き出した彼自身を叱ろうとした。が、この路は彼の家の裏門の前へ出るほかには....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
れば、なぜまたあの理想家の三浦ともあるものが、離婚を断行しないのでしょう。姦通の
疑惑は抱いていても、その証拠がないからでしょうか。それともあるいは証拠があっても....
「河童」より 著者:芥川竜之介
である。疑うものは弁護士を見よ。
×
矜誇《きょうか》、愛欲、
疑惑――あらゆる罪は三千年来、この三者から発している。同時にまたおそらくはあらゆ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
つ》を装って、これらの細作の眼を欺くと共に、併せてまた、その放埓に欺かれた同志の
疑惑をも解かなければならなかった。山科《やましな》や円山《まるやま》の謀議の昔を....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
ていた。が、素戔嗚の心の中には、まるで大暴風雨《おおあらし》の天のように、渦巻く
疑惑の雲を裂《さ》いて、憤怒《ふんぬ》と嫉妬《しっと》との稲妻が、絶え間なく閃《....
「少年」より 著者:芥川竜之介
を始め、両側の男女の乗客はたいてい宣教師へ目をあつめた。ただ彼等の目にあるものは
疑惑でもなければ好奇心でもない。いずれも宣教師の哄笑《こうしょう》の意味をはっき....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
一人である。
或理想主義者
彼は彼自身の現実主義者であることに少しも
疑惑を抱いたことはなかった。しかしこう云う彼自身は畢竟理想化した彼自身だった。
....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
理ではなかったのに違いない。なぜと言えば、――
半三郎のまず警戒したのは同僚の
疑惑を避けることである。これは彼の苦心の中でも比較的楽な方《ほう》だったかも知れ....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
タを張った時には可哀そうだとも何とも思わなかった癖に。……」 Y中尉はちょっと
疑惑とも躊躇ともつかない表情を示した。それから何とも返事をしずにテエブルの上の新....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
の表紙をした一冊の本へ目を通した。この本は目次の第何章かに「恐しい四つの敵、――
疑惑、恐怖、驕慢、官能的欲望」と云う言葉を並べていた。僕はこう云う言葉を見るが早....
「狂女」より 著者:秋田滋
来ないので、病院に収容したままになっているのではあるまいか。しかし、僕のこうした
疑惑をはらしてくれるような材料は何ひとつ無かった。とは云うものの、時がたつにつれ....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
とばっちりを受けたものと思う。亦一つはやはり戦争を割切らないで日本の将来に対する
疑惑をもっている人達がある。それがボストン市会に現れたと云っても過言でもない、我....