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「疫病神〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

疫病神の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
ら年のこよみが四たび変わって、仁平《にんぺい》二年の春が来た。 この三、四年は疫病神《やくびょうがみ》もどこへか封じ込められて、そのあらぶる手を人間の上に加え....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、お琴は心ひそかに祈っていた。 その頃、誰が云い出したのか知らないが、コロリの疫病神を攘《はら》うには、軒に八つ手の葉を吊《つる》して置くがいいと云い伝えられ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
い物を持って行ってやろうと思っていたところでした。なんにも知らずに行ったが最後、疫病神がこっちへ乗り込んで来て、どんな目に逢うか判らなかったのです」 積んで来....
連環記」より 著者:幸田露伴
保胤は実に当時の巨匠たる此人の弟子の上席であった。疫病の流行した年、或人の夢に、疫病神が文時の家には押入らず、其の前を礼拝して過ぐるのを見た、と云われたほど時人....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
。石段の上の方から、ずって寄って、 (推参な、婆あ見苦しい。)と言いさま、お前、疫病神の襟首を取って、坂の下へずでんどうと逆様に投げ飛ばした、可い心持じゃないか....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
んですよ。あなたのまわりに騒ぎ出します。駆けていきます。ここでは、男がいることは疫病神《やくびょうがみ》がいるようなものです。ごらんのとおり、猛獣かなんぞのよう....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
とは、前後の事情から明らかだった。ジルノルマン家に対しては、ポンメルシーは一つの疫病神《やくびょうがみ》にすぎなかった。一家のものは自分たちだけで思い通りに子供....
夜長姫と耳男」より 著者:坂口安吾
て死んだお婆さんを見たのよ」 オレは云ってやった。 「あのバケモノの奴も今度の疫病神は睨み返すことができませんでしたかい」 ヒメはそれにとりあわず、静かにこ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
りまわして死んでやるから。刀をひきよせ鯉口をきッて酒を浴びつづけている。遊女屋も疫病神とあきらめはしても、彼らが浴びるほどの酒を連日はだしきれない。そこで酒の徴....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
のまちがっていることがわかり、これから先の世の人々が、私というものを、自分たちの疫病神として呪うだろう、と考えて身慄いした。この私は、利己的な立場から、おそらく....
疫病神」より 著者:田中貢太郎
ったようで、顔は細長い茄子の腐ったような顔であった。女史はびっくりしたが、かねて疫病神のことを聞いていたので、ここで負けては病人が死んでしまうと思って、下腹へぐ....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
。人のキゲンをとるに、どこの旅館がこんな妙な方法を用いるだろうか。およそ古代人の疫病神に対するような、また、娘を大蛇の人身御供にあげるような思いきった悲しいアキ....
多神教」より 著者:泉鏡花
から、その病を――疫病がみを―― 「ええ。」「疫病|神。」村人らまた退る。 神職疫病神を―― お沢 はい、封じます、その願掛けなんでございますもの。 神職 町に....
式部小路」より 著者:泉鏡花
だ、恩人も糸瓜もねえ、弱り目につけ込んで、すけべいの恩を売る奴は、さし込み以上の疫病神だと、怒鳴るでがしょう。 一体何という藪だ、破竹か、孟宗か、寒竹か、あた....
性に関するアイヌの習俗」より 著者:河野広道
く脚色されて変形したものであろう。 ホパラタは以上のような場合のほかに、悪神や疫病神に対してもおこなわれた。 朝鮮の女の虎退治の話や、日本の女が火事のときに....