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疲らす
「疲らす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
疲らすの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
りに呵《か》し去れたと思えた娘の主張が再び心情を襲うて来て、手脚の患い以上に翁を
疲らすのであった。 娘のいったことは自然の意志としたならあまりに生きて情熱に過....
「草枕」より 著者:夏目漱石
っては濃《こまや》かなる事、淡水《たんすい》の境《きょう》を脱して、顎《あご》を
疲らすほどの硬《かた》さを知らず。結構な飲料である。眠られぬと訴うるものあらば、....
「門」より 著者:夏目漱石
で、昨夕《ゆうべ》のように当途《あてど》もない考《かんがえ》に耽《ふけ》って脳を
疲らすより、いっそその道の書物でも借りて読む方が、要領を得る捷径《ちかみち》では....
「伸子」より 著者:宮本百合子
は、ああもう今日一日だ! と思った。今日一日……今日一日……その一日が何と自分を
疲らすであろう!……伸子は人に顔を見られたり、口をきいたりするのがいやであった。....
「二つの家を繋ぐ回想」より 著者:宮本百合子
一方には、漠然と、瞬間を利用した形跡がないでもない。Aは、先頃から彼女の、神経を
疲らす甲高声と、子供扱いとに、飽きが来て居た。何処か性に合わない処もあるらしい。....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の理想からあなたがたは打ち敗られたのです。けれども、その敵の理想に対抗して自分を
疲らすよりも、あらゆる理想の敵に対抗して、祖国を利用する奴らに対抗して、ヨーロッ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。少しも差し出がましいことはしないようにするよ。」 彼はその言葉を守った。客を
疲らすまいとして、平素とまったく反対の振る舞いをした。クリストフの前では妻ともろ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
は二日分前金として。」
「それから第四に、そんな旅には箱馬車はあまり重すぎて馬を
疲らすかも知れません。今私の家にある小馬車で我慢していただきたいものですが。」
....
「死屍を食う男」より 著者:葉山嘉樹
闘をするような男じゃ、絶対にないのだが。―― 安岡は、そんな下らないことに頭を
疲らすことが、どんなに明日の課業に影響するかを思って、再び、一二三四と数え始めた....
「監獄部屋」より 著者:羽志主水
際ウカウカして居ると容赦なく撲ったり、蹴倒したりするから、ダンマリで又労役に精を
疲らす、然し鳥渡《ちょっと》鵜の目鷹の目の小頭、世話役の目の緩むのを見て同様の会....
「三国志」より 著者:吉川英治
れず、いま大江に船を浮かべ、久しく土を踏まず、風浪雨荒のたびごとに、気を労い身を
疲らす。ために食すすまず、血環ること遅、凝って病となる。――これを治すには、兵を....