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疲労
「疲労〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
疲労の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
激を与えたのは、もちろんである。が、それにつれて、彼はまた、ある名状しがたい心の
疲労に、襲われた。もし周囲が周囲だったら、彼は必ずそこに身を投げ出して、飽くまで....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
げも桃花心木《マホガニイ》のテエブルや椅子《いす》に映《うつ》っていた。僕は妙に
疲労しながら、当然僕等の間《あいだ》に起る愛蘭土《アイルランド》の作家たちの話を....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
りはじめる。中にはていねいにお礼を言いに来る人さえあった。
多大の満足と多少の
疲労とを持って、僕たちが何日かを忙しい中に暮らした事務室を去った時、窓から首を出....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
気にはならなかった。僕は仕事をすませる度に妙に弱るのを常としていた。それは房後の
疲労のようにどうすることも出来ないものだった。………
K君の来たのは二時前だっ....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
思うと、少からず恐縮する。
涙のかわいたのちには、なんだか張合《はりあい》ない
疲労ばかりが残った。会葬者の名刺を束にする。弔電や宿所書きを一つにする。それから....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
う力競《ちからくら》べを何回となく闘《たたか》わせた。その内に追い追い二人とも、
疲労の気色《けしき》を現して来た。彼等の顔や手足には、玉のような汗が滴《したた》....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
」とは思想を欠いた三段論法である。
又
機智に対する嫌悪の念は人類の
疲労に根ざしている。
政治家
政治家の我我素人よりも政治上の知識を誇....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
一 前島林右衛門《まえじまりんえもん》
板倉修理《いたくらしゅり》は、病後の
疲労が稍《やや》恢復すると同時に、はげしい神経衰弱に襲われた。――
肩がはる....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
ているのを幸と、まん中の座席へ腰を下したそうです。すると一時恢復したように見えた
疲労が、意地悪くまだ残っていたのか、新蔵は今更のように気が沈んで、まるで堅い麦藁....
「或る女」より 著者:有島武郎
たる長い苦しい戦いに始めて勝って兜《かぶと》を脱いだ人のように、心にも肉にも快い
疲労を覚えて、いわばその疲れを夢のように味わいながら、なよなよとソファに身を寄せ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
でも険阻な山路を分け入りました。こちらの世界では、どんな山坂を登り降りしても格別
疲労は感じませぬが、しかし何やらシーンと底冷えのする空気に、私は覚えず総毛立って....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
通信を行うらしいのであった。不熟練の霊に使われると、通信もまとまりが悪く、又私の
疲労も非常に強烈であった。従って多くの場合に、レクタアが代筆したが、ただ或る霊が....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
さえ彼の足の親指の上に羅馬とカルセエジとの軍勢の戦いを始めるのを眺めたほど神経的
疲労に陥っていた。僕はこう云う彼等の不幸に残酷な悪意に充ち満ちた歓びを感じずには....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
時の私の心もちと、不思議な位似つかわしい景色だった。私の頭の中には云いようのない
疲労と倦怠とが、まるで雪曇りの空のようなどんよりした影を落していた。私は外套のポ....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
ることもあった。だが私は、整頓するということを考えただけで、精神的にも肉体的にも
疲労を感じてしまうので、私にはこの厭わしい仕事に手をつける勇気がなかったのである....