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疵
「疵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
疵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
りかた》六七寸ばかり、右肩五寸ばかり、左右手四五ヶ所、鼻上耳脇また頭《かしら》に
疵《きず》二三ヶ所、背中右の脇腹まで筋違《すじかい》に一尺五寸ばかり」である。そ....
「百合」より 著者:芥川竜之介
《も》ぎ離した。
「お前さんはいつも乱暴だよう。この間うちの惣吉の額《ひたい》に
疵《きず》をつけたのもお前さんずら。」
良平は金三の叱られるのを見ると、「ざま....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
おどり》をやったであろう、ちょっと清心丹《せいしんたん》でも噛砕《かみくだ》いて
疵口《きずぐち》へつけたらどうだと、だいぶ世の中の事に気がついて来たわ。抓《つね....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
い。何は措ても、余所ながら真砂町の様子を、と思うと、元来お蔦あるために、何となく
疵持足、思いなしで敷居が高い。 で何となく遠のいて、ようよう二日前に、久しぶり....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
事ない、休め。 騎士等、礼拝して退場。侍女一、登場。 侍女一 御安心遊ばしまし、
疵を受けましたほどでもございません。ただ、酷く驚きまして。 公子 可愛相に、よく....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
重の衣も納めつと聞く。……よし、それはこの笈にてはあらずとも。 「ああ、これは、
疵をつけてはなりません。」 棚が狭いので支えたのである。 そのまま、鬼子母神....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
思いましたが。」 「お冷えなさるようなら、貴僧、閉めましょう。」 「いいえ、蚊を
疵にして五百両、夏の夜はこれが千金にも代えられません、かえって陽気の方がお宜しい....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
にそう言うて、沙汰をして上げよう。心安う思うておいで、ほんにまあ、よう和女、顔へ
疵もつけんの。」 と、かよわい腕を撫下ろす。 「ああ、それも売物じゃいうだけの....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
唾で破いて、その穴から舌を出したり、路地の木戸を石※でこつこつやったり、柱を釘で
疵をつけたり、階子を担いで駆出すやら、地蹈鞴を蹈んで唱歌を唄うやら、物真似は真先....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
。で、私どもに向って身上噺をせいと仰ッしゃるのは、言わば辛うじて治りかけた心の古
疵を再び抉り出すような、随分惨たらしい仕打なのでございます。幽明の交通を試みらる....
「鴨猟」より 著者:芥川竜之介
で獲った鴨を、近所の鳥屋から二羽買って来させることにした。すると小杉君が、「鉄砲
疵が無くっちゃいけねえだろう、こゝで一発ずつ穴をあけてやろうか」と云った。 け....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
それが怒り狂うブルドッグだとしても、きっとしっかり押えつけていたことだろう。私は
疵口から流れ出た血を見た。血というものは、なんて美しい、赤い、艶のいい、明るいも....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
と、衣裳方と、振つけと、御見物とかねて下さるんだ、本雨の立廻りか、せめてのことに
疵でもつけるんでなくっちゃあ御贔屓効がねえんですが、山が小せえんだね、愛宕の石段....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
打たれたまいぬ、と溝の中で鳴きそうな、どくどくの袷の褄、膝を払って蹴返した、太刀
疵、鍵裂、弾
疵、焼穴、霰のようにばらばらある、態も、振も、今の先刻。殊に小火を出....
「活人形」より 著者:泉鏡花
ぬ。高田は高見に見物して、「これこれ台無しにしては悪いぜ。「なあに、売物だ。面に
疵はつけません。 泰助は、幕の蔭よりこれを見て、躍り出んと思えども、敵は多し身....