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痂
「痂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
痂の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
遙かに凌ぎ越えている。小児――彼は何という驚くべき芸術家だろう。彼の心には習慣の
痂が固着していない。その心は痛々しい程にむき出しで鋭敏だ。私達は物を見るところに....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
で、腫物の口をこじ明けて、その管から貝母の搾り汁をそそぎ込むと、数日の後に腫物は
痂せて癒った。 油売 都の宣平坊になにがしという官人が住んでいた。彼が夜....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の創口にはその歴然としたものがあるのだ。ところが、剥がれた割れ口を見ると、それに
痂皮が出来ていない。まるで透明な雁皮としか思われないだろう。が、この方は明らかな....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
事! 何時《いつ》掃除した事やら、台石は一杯に青苔《あおごけ》が蒸して石塔も白い
痂《かさぶた》のような物に蔽《おお》われ、天辺《てッぺん》に二処三処《ふたとこみ....
「太郎坊」より 著者:幸田露伴
したって何になろうか、ハハハハ、笑ってしまうに越したことは無い。云わば恋の創痕の
痂が時節到来して脱れたのだ。ハハハハ、大分いい工合に酒も廻った。いい、いい、酒は....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
面部は一体に腫れ、殊に眼胞は腫れて、両眼を開く事能わず、手足も共に皮膚は腫脹と結
痂とにて恰も頑癬の如し。為めに四五日は休息せり。且つ頭痛と眩暈とにて平臥せり。 ....
「翩翩」より 著者:田中貢太郎
ってから瘡の痛みがなくなっていたが、ひと眠りして創へ手をやってみると、もう乾いて
痂ができていた。 朝になって羅は起きようとしたが、宵に女がこしらえてくれた着物....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
この笠にはあたらない。またあるいはカサを瘡《カサ》とも感ずる。すなわちその海藻が
痂《カサブタ》のような形ではないかとも想像する人がないとも限らない。また重なるこ....