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病む
「病む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
しきり、檐に、棟に、背戸の方に、颯と来て、さらさらさらさらと鳴る風の音。この凩!
病む人の身をいかんする。ミリヤアドは衣深く引被ぐ。かくは予と高津とに寝よとてこそ....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
の裡で、幽霊はもう消滅だ。」 「幽霊も大袈裟だがよ、悪く、蜻蛉に祟られると、瘧を
病むというから可恐えです。縄をかけたら、また祟って出やしねえかな。」 と不精髯....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
ッカの話しながら林檎一つを 二つに割りて仲よく食うた 母と子と言い争うて居る友は
病む事久し荒んだ心 それにまた遣瀬なかろう淋しかろう 可哀そうだよ肺を
病む友 お....
「月世界探険記」より 著者:海野十三
ら、またロンドンやニューヨークからのものがあった。その大きな同情は、いま月世界に
病む進君の父六角博士をぜひ救い出さねばならぬという声にかわっていった。この分では....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
らくするうちに、余罪で、思いの外に刑期が延びる。雑誌は人手に渡してしまう。足下は
病む。かくして悲しかった六カ月は過ぎた。 出獄する。自分も疲れたからだを休め、....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
かという問題であります。維摩は経の中の問疾品において、文殊の問いに答えて、 衆生
病む、故にわれ
病む。 と答えております。これは維摩詰が仏陀の自覚に立っていう言....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ぐにかの女をくくりあげ、薪を積んで生きながら焚いてしまった。その以来、都に驚風を
病む小児が絶えた。 羅刹鳥 これも鳥の妖である。清の雍正年間、内城の某家....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
○五月、明治座にても一種の戦争劇たる「敵国降伏」を上演。この興行中より市川左団次
病む。 ○八月七日、市川左団次死す、六十三歳。団菊は前年を以て逝き、左団次はこの....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
ちゃんが寄越した、泣けるような手紙ね。あれには…… ――神さまは、お姉さまには
病む苦しみを与えましたが、あたくしには、苦しみをともにせよと、お姉さまを与えてく....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
くらい、一見無邪気な可愛いい顔立ちで、ほっそりと痩せた横顔の青白さは、まるで胸を
病む少女のようにいじらしく、ふと女たちにはやるせなかった。が、美しい眉に翳るニヒ....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
垢ぬけているといえば、その寝顔は、ぞっと寒気がするくらいの美少年である。 胸を
病む少女のように、色が青白くまつ毛が長く、ほっそりと頬が痩せている。 いわば紅....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
という黒い鴉が私を見ている。燻し鰊の私を。 白き猫膝に抱けばわが思ひ音なく暮れて
病む心地する この浮薄と衒気とを省みると、何が音なく暮れてだ、何が
病む心地する....
「おせん」より 著者:邦枝完二
りますけれど、おせんさんが急病とは、気がかりでおますさかい。……」 「いや、気に
病むほどのことでもなかろうが、何せ若い女の急病での。ちっとばかり、朝から世間が暗....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
に悲しく、淋しくされた心で寝台に仰臥しておぼつかない、カーテンを洩るる光のなかに
病むものの悲哀にうちしおれていました。硝酸銀でやかれたので傷が痛みます。耐え忍ぶ....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
下がっていた。 私は昔から骨と皮とで出来上っているために、冬の寒さを人一倍苦に
病む。それで私は冬中彼岸の来るのを待っている。 寒さのはては秋の彼岸だと母は私....