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病人
「病人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
はまくらの石をはずれて、砂に髪をひきながら、たわいなく畳の上へぐたりとなる。が、
病人は、依然として、目をつぶったまま、顔の筋肉一つ動かさない。
「そんな事をした....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
》の葉の上には鶺鴒《せきれい》が一羽尾を振っていた。しかし彼女はそんなことよりも
病人臭い「離れ」の中から何か気味の悪いものがついて来るように感じてならなかった。....
「彼」より 著者:芥川竜之介
ら。
四
彼は六高へはいった後《のち》、一年とたたぬうちに
病人となり、叔父《おじ》さんの家へ帰るようになった。病名は確かに腎臓結核《じんぞ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
》を催し出した。喜三郎《きさぶろう》は心配の余り、すぐにも医者を迎えたかったが、
病人は大事の洩れるのを惧《おそ》れて、どうしてもそれを許さなかった。
甚太夫は....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
神山は浅川の叔母に一礼してから、懐《ふところ》に入れて来た封書を出した。
「御
病人の方は、少しも御心配には及ばないとか申して居りました。追っていろいろ詳しい事....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
うだから、あるいはまだ快癒がはかばかしくないのかと思ったが、話して見ると、格別、
病人らしい容子《ようす》もない。そこで安心して、暫く世間話をしている中に、偶然、....
「或る女」より 著者:有島武郎
止まると大きな声で帳場《ちょうば》のほうにどなった。
「早く雨戸をしめないか……
病人がいるんじゃないか。……」
「この寒いのになんだってあなたも言いつけないんで....
「或る女」より 著者:有島武郎
引ったくって、
「それは電燈の風呂敷《ふろしき》のせいだわ……それに熱が取れれば
病人はみんな一度はかえって悪くなったように見えるものなのよ。ほんとうによかった。....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
いたのだ。然し北国の寒さは私たち五人の暖みでは間に合わない程寒かった。私は一人の
病人と頑是《がんぜ》ないお前たちとを労《いた》わりながら旅雁《りょがん》のように....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
見せてつかわす……。』 私はついふらふらと起き上りましたが、不思議にそれっきり
病人らしい気持が失せて了い、同時に今迄敷いてあった寝具類も烟のように消えて了いま....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
とふりだしますと、もうクリスマスには間もありません。欲張りもけちんぼうも年寄りも
病人もこのころばかりは晴れ晴れとなって子どものようになりますので、かしげがちの首....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
、できたように感じました。それは貧しい屋根裏のへやのかたちであらわれて、なかには
病人のおかあさんがねていました。けれどあいた窓からは神さまのお日さまの光が温かく....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
した。 朝の八時になりました。ツークーマンのお医者さんは若い一人の助手をつれて
病人の家へ来ました。そしてしきりに手術をうけるようにすすめました。メキネズ夫婦も....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
のか、さすがに筆まめな彼れもそればかりは書いて置かなかった。多分貧しい老人とか、
病人とかに恵んだものらしく、その金額も年に数百ポンド(数千円)にのぼったことと思....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
だったと私は思う。 私は北海道についてはもっと具体的なことが書きたい。然し今は
病人をひかえていてそれが出来ない、雑誌社の督促に打ちまけて単にこれだけを記して責をふさいでおく。....