病余[語句情報] » 病余

「病余〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

病余の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
傍に遺棄せらるる幾多の霊魂を拾いてははぐくみ育つるを楽しみとしつ。肋膜炎に悩みし病余の体を養うとて、昨月の末より此地に来たれるなるが、かの日、あたかも不動祠にあ....
自画像」より 著者:寺田寅彦
しの草木の芽立つと同時に強い力で復活した。そしてその望みを満足させる事が、同時に病余の今の仕事として適当であるという事に気がついた。 それでさっそく絵の具や筆....
写生紀行」より 著者:寺田寅彦
と気持ちはいいようなものの、あまりに美しい自然とそこにも付きまとう世の中の刺激が病余の神経には少しききすぎるようでもある。もうそろそろ寒くはなるし、写生行もしば....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
結婚後重患にかかり、その打撃から十分に癒されていなかったのである。そればかりか、病余の衰弱はかれの神経を過度に昂ぶらせた。しばしば迷眩を感ずるようになったのは、....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
前途の希望の光りに輝いていた居士は、これを嵐山清遊の時に見たのであったが、たとい病余の身であるにしても、一度危き死の手を逃れて再生の悦びに浸っていた居士はこれを....
深川の散歩」より 著者:永井荷風
屋に棲息している貧民の生活が遥に廉潔《れんけつ》で、また自由である事をよろこび、病余失意の一生をここに隠してしまったのである。或日一家を携えて、場末の小芝居《こ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
勲の日をお待ち申すぞ」 「お贐の辞、かたじけない。――じつは瘧を病んで、まだ少々病余にはござれど、武士の一|分、押して今日発向つかまつる。仮病にてはあらざりしこ....