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病因
「病因〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病因の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
から眉間《みけん》を険《けわ》しくした。千代子は涙をぽろぽろ膝の上に落した。 「
病因は何でしょう」 「どうも不思議です。ただ不思議というよりほかに云いようがない....
「愚人の毒」より 著者:小酒井不木
う問題です。未亡人は前後四回同じ病気に襲われていますけれど、四回ともはたして同じ
病因であったかどうかは容易に断ずることができないのであります。わたしのごとき素人....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
来た。家茂公の薨去は一橋慶喜が京都と薩長とに心を寄せて常に台慮に反対したのがその
病因であるのだから、慶喜はすなわち公が薨去を促した人であると言い、はなはだしいの....
「旅愁」より 著者:横光利一
も入院するから気をつけるようにと、先日云って別れたばかりの直後だったので、およそ
病因は彼に分っていながらも、冗談の当りすぎた気味悪さ以上、来るものの来た必然さに....
「悟浄出世」より 著者:中島敦
《ふぐ》の精だったが――は、悟浄の病を聞いて、わざわざ訪《たず》ねて来た。悟浄の
病因が「死への恐怖」にあると察して、これを哂《わら》おうがためにやって来たのであ....
「影のない犯人」より 著者:坂口安吾
まったのである。 「どうも、変ですなア。主治医として、まったく面目ありませんが、
病因がハッキリ致しません。はじめは高血圧のせいで、他にさしたることはないように考....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
ものは病気の原因の中にいつも含まれているのだから。だから、一番親しい女房や子供は
病因の一つに含まれており、彼らの力だけでは病人をひきとめることはできない。そして....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
は、病人の潜在意識をひきだし、生活史や環境やマサツを調べあげて、いともアッサリと
病因を割りきる。 なるほど、そういう場合もたしかにあるでしょう。人間には苦労の....
「楢ノ木大学士の野宿」より 著者:宮沢賢治
。」 「うむ、うむ、そのクォーツさんもお気の毒ですがクウショウ中の瓦斯《ガス》が
病因です。うむ。」 「あいた、いた、いた、いた。た。」 「ずいぶんひどい医者だ。....
「チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
リスというものの意義を誇大視して、変質や精神病を描いた同じ婦人を戒めて、それらの
病因をなすものはジフィリスだけではなくて、幾多の事実――ヴォトカ、煙草、知識階級....
「妖怪学」より 著者:井上円了
ざるものは、大抵この心理療法ならざるはなし。さきに挙ぐるがごとき、人の歯を抜きて
病因を絶ち、人の体中より小虫を抜き出して諸病を治するがごときは、催眠術治療法と同....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
いわゆる敗徳者、堕落者、悪人、罪人等は皆精神の欠陥を有する病人である、その根本の
病因を医さないで訓誡、懲罰、刑辟を加えても何の効があるはずがない。今日の感化院が....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
彼が恐い人は、妻の舅の長崎円喜と、生母の覚海未亡人であったようだ。 その尼公の
病因は、しばしば、子の高時の盲愛に迷うためといわれているが、高時も母思いでないこ....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
、まあよかったとも思う。 ところが、小林氏の熱病よりも、ここでは、ぼくが不覚な
病因を自ら作っていた。というのは、湯上がり後に出されたシャーベットを、つい、意地....