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病患
「病患〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病患の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
った。
「いや、実際厳密な意味では、普通|正気《しょうき》で通っている人間と精神
病患者との境界線が、存外はっきりしていないのです。況《いわ》んやかの天才と称する....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
れつ》の入るような早さで、見る間に私の眼界から消え去ってしまいました。私は、夢遊
病患者《ソムナンビュウル》のように、茫然として妻に近づきました。が、妻には、第二....
「或る女」より 著者:有島武郎
っぷりと隠れてしまって、往来の灯《ひ》ばかりが足もとのたよりとなるころ、葉子は熱
病患者のように濁りきった頭をもてあまして、車に揺られるたびごとに眉《まゆ》を痛々....
「或る女」より 著者:有島武郎
しげ》く落ちて、単衣《ひとえ》をぬけて葉子の肌《はだ》ににじみ通った。葉子は、熱
病患者が冷たいものに触れた時のような不快な悪寒《おかん》を感じた。
「お前の神経....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
りなき希求憧憬《ききゅうどうけい》の情を走らせながらも、またつねに、彼が一個の肺
病患者であるという事実を忘れなかった。いつからとなく我々の心にまぎれこんでいた「....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
に予備隊として待機させてあった索敵戦隊に進撃命令を下した。 だが、同じような重
病患者の寄りあい世帯のような索敵戦隊に何が望めるというのだろう。 それでも扉は....
「悠々荘」より 著者:芥川竜之介
を使っていたな。――」 Sさんは僕等をふり返って言った。 「この別荘の主人は肺
病患者だよ。」 僕等は芒の穂を出した中を「悠々荘」の後ろへ廻って見た。そこには....
「振動魔」より 著者:海野十三
を持つ有名な呼吸器病の大家だった。一般にサナトリューム療院といえば、極く軽症の肺
病患者ばかりに入院を許し、第二期とか第三期とかに入ったやや重症の患者に対しては、....
「火薬船」より 著者:海野十三
問ワズ、本船ニ壊血病多数発生シ、ソノ治療用ニアテルタメナリ” ノーマ号は、壊血
病患者がたくさん発生しているから、ぜひ野菜や果実をわけてくれという信号なのである....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
上でひゅうひゅうと唸り、扉は冷たい闇のなかで悲しげに煽っていた。 ラザルスは癩
病患者のように人々から忌み嫌われたばかりではなく、実際癩
病患者が自分たちの歩いて....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
を穢土と罵り、途中の階段をヌキにして、一足飛びに極楽浄土にでも行こうとあせる夢遊
病患者に対して、絶好の戒飭である。 第四章 各種の霊媒能力 問『いか....
「妖怪学」より 著者:井上円了
結果を身部の上に及ぼすは、みな人の知るところなり。例えば、暴食過飲して腸胃の上に
病患を起こし、過度労役して四肢の上に傷害をきたすがごときは、いわゆる身部より生ず....
「迷信解」より 著者:井上円了
家に奉置し、身に携帯するはもとより非議すべきにあらざるも、これを所持すれば種々の
病患、災害を免れ得ると信ずるに至りては、迷信のはなはだしきものといわなければなら....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
平等に全脳の各部にわたり、互いに相関係してその作用を営むも、一時非常の刺激または
病患等の事情に接するときは、その序次権衡を失して、心力の不平均関係の錯乱を生ずる....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
平なきものあれば、他方に不平を有するものあり。この不平不満足の心は、必ず幽鬱して
病患を結び、激発して争乱を醸すに至るべし。しかるに実際上これをみるに、政治上不平....