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病態
「病態〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病態の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ナポレオンと田虫」より 著者:横光利一
グの娘に、自分の腹をかくし通した苦痛な時間が腹立たしくなって来た。彼は腹部の醜い
病態をルイザの眼前にさらしたかった。その高貴をもって全ヨーロッパに鳴り響いたハプ....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
はさらぬだに強からぬ浪子のかりそめの病を募らして、取り立ててはこれという異なれる
病態もなけれど、ただ頭重く食うまからずして日また日を渡れるなり。 今二点を拍ち....
「読書法」より 著者:戸坂潤
、睡眠時や変態条件下に於ける時間意識等、が検討されて一応の整頓を与えられている(
病態心理学的な時間研究を示唆しているのも教えられる点だ)。この包括的な取り扱い方....
「斗南先生」より 著者:中島敦
彼に何か実感の伴わないものを感じさせると同時に、かえってそういうことを言う伯父の
病態に楽観的な気持を抱かせたし、また、宿のものの待遇の悪さをしきりに罵っているそ....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
。その後代々の男子の中に、折にふれ、事に障りて狂気仕るもの、一人二人と有之。その
病態世の常ならず。或は女人を殺めむと致し、又は女人の新墓に鋤鍬を当つるなぞ、安か....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
た。博士はこのトランクに入れて、僕のところへ向われたんだが、その途中であのような
病態《びょうたい》となられた……」 そういっているときに、目賀野が連れていた医....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
、日本の当局は甚だしく狼狽したという現実がある)。
そしてここから、「資本主義
病態下に於て最も決定的致命的な破壊の鉄槌を下さるるものは工業ではない」、「賃労働....
「風立ちぬ」より 著者:堀辰雄
く院長を、私は駅まで見送って行った。私は彼から自分にだけでも、もっと正確な彼女の
病態を聞かしておいて貰いたかったのだった。 「しかし、こんなことは病人には言わぬ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
が、それで事がはかどるわけではなかった。そういう発作的な疳癪《かんしゃく》は半ば
病態のせいで、穏やかな精神はそれに与《くみ》していなかった。がその疳癪のために、....
「金狼」より 著者:久生十蘭
で、みずから余命いくばくもないことを知っていた。しかも、手紙の文面から察すると、
病態はすこぶる険悪だったのですな」 西貝がふきだした。 「……乾老。あんたも新....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
いながらお杉婆はひとりで起ち上がっていた。牛の背に乗せられて、ウンウン呻いていた
病態はその時少しも見えなかった。
「女子……」
声をひそめて、寄り添いながら、....
「三国志」より 著者:吉川英治
かたがない。――では、別室でちょっと会おう」 遂に、董承も根負けして、ぜひなく
病態をつくろって、馬騰をべつな閣へ通した。 西涼の太守|馬騰は、ぷんぷんおこり....
「三国志」より 著者:吉川英治
曹操の軍力はかくて大いに富強された。けれど彼は、日々、易州に残してきた愛臣郭嘉の
病態を思うことを忘れなかった。 「……どうも捗々しくなく、九分まではむずかしいそ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
貞氏の単なる公儀への“慎み”と見ているふうだが、事実は、寒い足利にも帰れぬほどな
病態であり、鎌倉の気候が彼の療養にとって、別れえないものだったのが、いちばんの理....
「鬼」より 著者:吉川英治
、 「まあせっかく、殿にも御意がうごいたところ、今さら、御中止にもなれまいが、御
病態を作って、藩のほうへも、延々にしておかれたがよろしゅうござるぞ。藩政御困窮の....