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病毒
「病毒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病毒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
と間違えられて留置されると、たまたまチマ子も同じ留置場にはいっていて、仏壇お春、
病毒……。 そして、さまざまな女が、いかにも女の都の京都らしく、あるいは一夜妻....
「競馬」より 著者:織田作之助
校のA中の歴史の教師になったという男にあり勝ちな、小心な律義者《りちぎもの》で、
病毒に感染することを惧《おそ》れたのと遊興費が惜《お》しくて、宮川町へも祇園《ぎ....
「新生」より 著者:島崎藤村
っと簡単な衛生上の不注意に持って行って考えて見た。仮りに父の発狂がそうした外来の
病毒から来ているとしても、そのために父に対する心はすこしも変らなかった。恐い、頑....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
りに眼病の方がひどくなっている。勤めをしている時は、気の張りがあったのでまだしも
病毒を押さえていられたが、張りが抜けたと同時に、急にそれが出て来たのだろう。井筒....
「家」より 著者:島崎藤村
ったのも、何卒して夫の愛を一身に集めたいと思ったからで……夫の胸に巣くう可恐しい
病毒、それが果して夫の言うように、精神の過労から発したのか、それとも夫が遊蕩の報....
「獄中記」より 著者:大杉栄
他の囚人と一緒に同居させることもできず、また仲間同士を一緒に置くことはさらにその
病毒を猛烈にする恐れがある。そこでみんなは、最新式の建築と設備とをもって模範監獄....
「ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
持出すに忍びなかったからで。見ず知らずの女達から旦那を通して伝染させられたような
病毒のために、いつか自分の命の根まで噛まれる日の来まいものでもない、とは考えたば....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
ような気持は、私にはなかった。 私の半生は身を持ちくずした半生だから、いろいろ
病毒があるかも知れぬという怖れもあった。先般、東大神経科へ入院中、精密な
病毒検査....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
見えたのである。同じように覆面を胸まで垂れた風守はカゴにのった。そして、あたりの
病毒ある風から防ぐように、カゴの窓を下したのである。光子が見た兄は、その旅行のと....
「水鬼」より 著者:岡本綺堂
ずその悪い病気を癒してしまった上でなければ、どうにもならない。ついては、おまえの
病毒は普通の注射ぐらいでは癒らない。わたしが多年研究している秘密の薬剤があって、....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
あったかと思う。その年ひどく流行した麻疹に感染して、一応はどうやら癒ったものの、
病毒が廻って全身に吹出物を生じた。薬湯に連れて行くにもあまり見苦しいので家人も億....
「決闘」より 著者:神西清
がちな民衆は、自分と同じ弱点を持っている偶像が大好きなのだね。ねえ君、これで奴の
病毒の伝染区域がいかに広いかがわかるだろう。そのうえ彼はなかなかの役者だ、巧みな....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
い肉体を鑑賞することは大好きなんだが、その可愛らしい肉体の内部に物凄く潜んでいる
病毒を頂戴することをこの上も無く怖がっている臆病者なのだよ。だからサヨウナラさ!....
「暴風雨の夜」より 著者:小酒井不木
えるという虞れに過ぎぬようでした。そうしたさもしい心の持主である上に、身体までが
病毒に汚されて居たのですから、加藤家こそいい迷惑です。況や無邪気な友江さんは尚更....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
代の人たちは恐ろしい想像を逞しゅうするし、現代にいたっても彼女はお父さんの血から
病毒を遺伝しているのではないかと疑う研究家もあるほどである。しかし、すくなくとも....