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病症
「病症〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
病症の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
た。帰途葉子は本屋に立ち寄って婦人病に関する大部な医書を買い求めた。それは自分の
病症に関する徹底的な知識を得ようためだった。家に帰ると自分の部屋《へや》に閉じこ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
診察願いを出しました、診察は即ち大場連斎がするのですから、成るほど是は容易ならぬ
病症《びょうき》で、外面には爾までにも見えぬけれど心臓に余ほどの危険な所があるな....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
じて、又かんがえていた。 四 関口屋の娘お袖は煩い付いた。 医者にもその
病症がよく判らないのであったが、お由の変死につづいて、娘が煩い付いたのであるから....
「電気看板の神経」より 著者:海野十三
安巳太郎は、色蒼ざめた顔を上下にふり乍ら、よく憤慨したものさ。 岡安の電気恐怖
病症状については、この上述べると際限がないので、この辺でよしたい。「俺は電気に殺....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
もにどうも捗々しくない。どの医師もいたずらに首をかしげるばかりで、一体なんという
病症であるかも判らない。 おそよは十八、おつぎは十六、どっちも年頃の若い娘であ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ですか。」 「貴下御存じじゃあないのですか。」 「知らないね。」と気取った代脉が
病症をいわぬに斉しい。 わざと打解けて、底気味の悪い紳士の胸中を試みようとした....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ないことがありました。彼女の皮膚は日に日に蒼ざめて、呼ばれて来た医者たちにもその
病症がわからず、どうにも療治のしようがないことがありました。医者たちはみな訳のわ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
癖、病といえば病であろう。あるいは渇望病だという診断が下るかも知れない。そういう
病症を癒すに別の処方のあろうはずはない。やはり夢には夢を与えるに限る。 海印三....
「魚妖」より 著者:岡本綺堂
くらせて息をついているばかりか、時々に寝床の上で泳ぐような形をみせた。医者もその
病症はわからないと言った。しかし吉次郎にはひしひしと思い当ることがあるので、その....
「春」より 著者:岡本かの子
行った。そして、その時々の局面を打開して行く術さえ覚えた。加奈子は、飽き安いこの
病症の者に新しい感触を与えるように、京子を時々違った医者や病院へ連れて行った。京....
「明暗」より 著者:岡本かの子
をオールバックにした三木雄は立派な一個の美青年だった。眼鏡の下の三木雄の眼はその
病症が緑内障であるせいか眼鏡の下に一寸見には生き生きと開いた眼に見えた。行き逢う....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
十二年の八月、箱根へ遊びにゆく汽車のなかで突然発病して、塔の沢の温泉宿で死んだ。
病症は脳充血で、年は十六歳であった。わたしは前に芝子丸の早世を悲しんだが、小伝次....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
たがた全文を掲げる。 私店けし入軽焼の義は世上一流|被為有御座候|通疱瘡はしか諸
病症いみもの決して無御座候に付享和三|亥年はしか流行の節は御用|込合順番札にて差....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
口でありましょうけれども、せっかく出て来たものですから望みに応じて診て遣りまして
病症の説明をして注意を加え、少しばかりの薬を遣りましたところが、私の説明が長く煩....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
して、その言に、「われは大医王なり、病に応じて薬を与う」といえり。すなわち、人の
病症一つならざれば、これを治する薬また一つならず、一方をもって万病を治することあ....