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「病者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

病者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
信乃法師《まりしのほうし》が、あの怪しげな陀羅尼《だらに》の力で、瞬く暇に多くの病者を癒《なお》した事でございます。盲目《めしい》が見えましたり、跛《あしなえ》....
路上」より 著者:芥川竜之介
たけちが》いの文学に興味を持っている男だった。だからその説明の中にも、種々の精神病者の実例として、ニイチェ、モオパッサン、ボオドレエルなどと云う名前が、一再なら....
青年と死」より 著者:芥川竜之介
ない。もっと此方《こっち》へ来るがいい。 A 己は待っている。己は怖がるような臆病者ではない。 男 お前は己の顔をみたがっていたな。もう夜もあけるだろう。よく己....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
を見つけることに少しも満足を感じないことである。 外見 由来最大の臆病者《おくびょうもの》ほど最大の勇者に見えるものはない。 人間的な ....
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
かけた。その言葉には何か乞食の心を支配する力があるらしかった。乞食はほとんど夢遊病者のように、目はやはり上を見たまま、一二歩窓の下へ歩み寄った。保吉はやっと人の....
或る女」より 著者:有島武郎
を覚えるように思った。そこには若者の熱い涙が浸《し》み込んでいるのだ。葉子は夢遊病者のような目つきをして、やや頭を後ろに引きながら肩の所を見ようとすると、その瞬....
或る女」より 著者:有島武郎
落ち付き払ったひとみを静かに働かして、部屋の中を静かに見回していたが、やがて夢遊病者のように立ち上がって、戸棚《とだな》の中から倉地の寝具を引き出して来て、それ....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
ですごすごと競馬場を出た。彼れは自分で何が何だかちっとも分らなかった。彼れは夢遊病者のように人の間を押分けて歩いて行った。事務所の角まで来ると何という事なしにい....
一房の葡萄」より 著者:有島武郎
僕はかわいい顔はしていたかも知れないが体《からだ》も心も弱い子でした。その上|臆病者《おくびょうもの》で、言いたいことも言わずにすますような質《たち》でした。だ....
弓町より」より 著者:石川啄木
理性の判断から回避している卑怯者、劣敗者の心を筆にし口にしてわずかに慰めている臆病者、暇ある時に玩具《おもちゃ》を弄《もてあそ》ぶような心をもって詩を書きかつ読....
クララの出家」より 著者:有島武郎
た。彼らは広場の手前まで来た。そして彼らの方に二十二、三に見える一人の青年が夢遊病者のように足もともしどろとして、石畳から眼をはなして、自分を囲むいくつかの酒に....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
る。しかしその前におまえの眼をわしに覗かせてくれ。おそらくお前の眼を怖れるのは臆病者ばかりで、勇者の胸には却って争闘と勝利に対する渇仰を呼び起こさせるであろう。....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
た。在職中たまたま疱瘡が流行して、死者続出の有様であったが、モーゼスは敢然として病者の介抱救護に当り、一身にして、牧師と、医者と、埋葬夫とを兼ぬる有様であった。....
歯車」より 著者:芥川竜之介
人間と変りのない、目鼻のある歯車ばかり並べていた。(それは或|独逸人の集めた精神病者の画集だった)僕はいつか憂鬱の中に反抗的精神の起るのを感じ、やぶれかぶれにな....
夜釣の怪」より 著者:池田輝方
月ほど病いました。病ったなり死んでしまいました。 夜釣に行くくらいだからそう憶病者ではなかったのです。水の中も掻き廻わしたくらいなのですけれど、千住へ来るまで....