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「病舎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

病舎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
って入院したとき一緒にその病院へついて行っていたことがあった。そのとき吉田がその病舎の食堂で、何心なく食事した後ぼんやりと窓に映る風景を眺めていると、いきなりそ....
」より 著者:島木健作
倒れそうであった。赤土は熱気に燃えてその熱はうすい草履をとおしてじかに足に来た。病舎までは長い道のりであった。どれもこれも同じようないくつかの建物の間を通り、広....
生きている腸」より 著者:海野十三
をはやめ、暗い庭を、梟《ふくろう》のように達者に縫って歩いた。やがて目の前に第四病舎が現われた。 (南から三番目の窓だったな) 彼はおそれげもなく、窓下に近づ....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
と犯人の名は……」 と云いかけたところへ、けたたましい警笛の響がして、自動車が病舎の玄関まで来てピタリと止った様子だった。やがて廊下をパタパタと跫音がすると、....
三狂人」より 著者:大阪圭吉
きと減って行った。勲章をブラ下げた将軍や偉大なる発明家達が、賑やかに往来していた病舎を一人二人と去って行くにつれて、今までは陽気でさえあった歌声も、何故か妙にい....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
脱疽だそうでございます」 「脱疽、なるほど、それならよい」 「まずとりあえず二号病舎へ、差し置きましてございます」 傴僂の小源太は立ち去ろうとした。 「どれ、....
四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
ろう寝ろ寝ろ。」 また夢に入って生体なし。 眼が覚めてみると、此処は師団の仮病舎。枕頭には軍医や看護婦が居て、其外|彼得堡で有名な某国手がおれの傷を負った足....
」より 著者:太宰治
財政的扶助に専心できるのだ、と考えて、三日ばかり続けてP市の病院に通い、その伝染病舎の傍の泥溝の水を掬って飲んだものだそうだ。けれどもちょっと下痢をしただけで失....
共産党公判を傍聴して」より 著者:宮本百合子
リートの床になげつけて殺した事実をあげて、政治犯人即時釈放を要求しました。監獄の病舎は、南側の日当りのいい方はただ歩く廊下にしてあるのだそうです。日の当らない北....
三木清を憶う」より 著者:豊島与志雄
来、疥癬にかかり、また栄養失調を来し、九月半ばに急性腎臓炎となり、症状が進んで、病舎にあること二日にして急逝したとのことである。拘置所内の皮膚病、殊に疥癬は、ひ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
六編 ジャヴェル 一 安息のはじめ マドレーヌ氏は自分の住宅のうちにある病舎にファンティーヌを移さして、そこの修道女たちに託した。修道女たちは彼女をベッ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
めてることもあった。あるいはまた始終身を震わし歯をうち合わして、熱があると言い、病舎の二十八の寝台のどれかがあいてはいないかと尋ねていた。 ところが不意に、一....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
し》の上に佇立《ちょりつ》す。監獄に戻るにおよんで多くは咳《せき》を発す。ために病舎の費用を増すに至る。 三、製糸監は、所々に警官の配置あるをもってはなはだよ....
老夫婦」より 著者:黒島伝治
た。のみならず、ぐん/\上ってきた。腸チブスだったのである。 彼女は息子を隔離病舎へやりたくなかった。そこへ行くともう生きて帰れないものゝように思われるからだ....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
めた。国民義勇軍の命令の、かつ戦いかつ学ぶという方針のもとに、どの学級も研究室も病舎も、それぞれ専門の任務をもった医療救護隊に改編され、防空服に身を固め、救護材....