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痛も
「痛も〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
痛もの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
である。あらゆる幸福はそれらの人々には解剖するために滅少し、同時にまたあらゆる苦
痛も解剖するために増加するであろう。「生まれざりしならば」という言葉は正《まさ》....
「或る女」より 著者:有島武郎
もなく流れているばかりだった。不思議な事には寝入っても忘れきれないほどな頭脳の激
痛も痕《あと》なくなっていた。
神がかりにあった人が神から見放された時のように....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
からぬ年俸は、過半菅子のために消費されても、自から求むる処のない夫は、すこしの苦
痛も感じないで、そのなすがままに任せる上に、英吉も云った通り、実家から附属の化粧....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
クと筋が動いて痛み出す。――もっとも、戸外は日当りに針が飛んでいようが、少々腹が
痛もうが、我慢して、汽車に乗れないという容体ではなかったので。……ただ、誰も知ら....
「眉の記」より 著者:上村松園
なしで意地の手術をうけたかの貴婦人も、手術をうけながら苦痛をこらえ、いささかの苦
痛もないかのように装うてはいたものの、美しい双の眉だけはおそらく千言万句の言葉を....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
れどもおもしろみのある所はまたくるしみの伏在する所にてその間一種いふべからざる苦
痛も有之、この苦痛最初はいたって軽微なりしも仕事に深入すればするほど重かつ大にな....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
を悼ましむ者が他にありましょうか」 「令夫人を相手に渡さなければ、あなた様のご心
痛もなくて済むわけでしょう」 黒眼鏡をかけたひどい猫背の探偵は事もなげに、こう....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
どすまでには五分間もかからなかった。彼は間もなく起上った。身体のだるさが消え、頭
痛もかるくなった。なんというすばらしい飲料だったことか。もう一ぱい呑ませてくれる....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
もうそれで、あのポストも見えなくなってしまうよ……やれやれ、これでどうやら君の頭
痛もなおったらしいね」 (〈新青年〉昭和十年七月号)....
「食魔」より 著者:岡本かの子
ので、人間も変れば変るものだと思うだけとなった。病友は口から入れるものは絶ち、苦
痛も無くなってしまったらしい。医者は臨終は近いと告げた。看護婦もモデルの娘も涙の....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、体も丈夫になり、内臓や筋肉や骨格関節など全部が自然に調節せられて来る。頸の神経
痛も頭がぼんやりしたのも、関節や筋肉のリウマチも、胃腸や心臓の弱いのも自然と癒っ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
の左の二の腕に不思議の腫物が出来た。その腫物は人の面の通りであるが、別になんの苦
痛もなかった。ある時たわむれに、その腫物の口中へ酒をそそぎ入れると、残らずそれを....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
返して、程の門前に仆れて救いを呼ぶと、彼は水を汲んで来て飲ませてくれた。それで苦
痛も薄らいで、役人は無事に助かったということであるから、彼は毒を作ると共に、その....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
をおこし、橇をかって氷の涯へと飛んでゆく。もちろん、そうした場合だから、なんの苦
痛も感じない。運よく氷罅にも落ちずに行き着けた奴らが、『冥路の国』の中で一部落を....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
せ付られるようで快い。今眼が覚めたかと思うと、また生体を失う。繃帯をしてから傷の
痛も止んで、何とも云えぬ愉快に節々も緩むよう。 「止まれ、卸せ! 看護手交代! ....