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「痛快〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

痛快の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
挙げた場合を指したのであります。『全否定論法』或は『木に縁って魚を求むる論法』は痛快を極めている代りに、時には偏頗《へんぱ》の疑いを招かないとも限りません。しか....
卑怯者」より 著者:有島武郎
眺めやった。実際そこに惹起《じゃっき》された運動といい、音響といい、ある悪魔的な痛快さを持っていた。破壊ということに対して人間の抱いている奇怪な興味。小さいなが....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
のかこみを打破った奮闘の勇気に快味を覚ゆる時期である。化膿せる腫物を切開した後の痛快は、やや自分の今に近い。打撃はもとより深酷であるが、きびきびと問題を解決して....
春の上河内へ」より 著者:板倉勝宣
中を徳本に向かった。すっかり用意をして吹雪の中を歩くのは、気持ちのいいものでかつ痛快なものだ。徳本の下で焚火をした。時々パッと日があたると、木の影が雪の上にさす....
五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
る。ついに天を仰いで「おれもスキーをぬごうか」という。頭上に板倉が気の毒なような痛快を叫びたいような顔をしながら「ぬぐともぐるぜ」と同情のない言を放つ。くやしそ....
出奔」より 著者:伊藤野枝
いといつでも思っているのだがなかなか口はいうことをきかなくて。三日の手紙はかなり痛快な気持ちを抱いて読み終わった。大分孤独をふりまわしたな、人間は孤独なものよ―....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
記で埒をあける。が、ただ先哲、孫呉空は、※螟虫と変じて、夫人の腹中に飛び込んで、痛快にその臓腑を抉るのである。末法の凡俳は、咽喉までも行かない、唇に触れたら酸漿....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
に先を越されて、畜生め、でいる処へ、私のその『べっかっこ』だ、行った! 行った!痛快! などと喝采だから、内々得意でいたっけが――一日、久しく御不沙汰で、台町へ....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
ずにはいられない。まして村鳥のような未荘の男女が慌て惑う有様は、彼をしていっそう痛快ならしめた。 「革命も好かろう」と阿Qは想った。 「ここらにいる馬鹿野郎ども....
鴨猟」より 著者:芥川竜之介
ばかり海の風に吹かれただけで、鴨は一羽も獲れずしまった。しかし、鴨の獲れない事を痛快がっていた桂月先生も、もう一度、一ノ橋の河岸へあがると、酔いもすこし醒めたと....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
いえ、二度です。婚礼の晩、飲みましたの。酔いましたわ。」 「乱暴だなあ。しかし、痛快だ。お酌をするのも頂くのも、ともに光栄です。」 「お兄上。」 「…………」 ....
山吹」より 著者:泉鏡花
い。」と…… 人形使 (じりじり乗出す)そこだそこだ、その事だ。 画家 ははは、痛快ですな。しかし穏でない。 夫人 (激怒したるが、忘れたように微笑む)穏であり....
三枚続」より 著者:泉鏡花
一杯景気をつけて、さあ、此方方楽屋|内となって考えると面白い、馬鹿に気に入った、痛快ということだ。」 金之助は色気のない※をし、垢抜けのした目のふちに色を染め....
式部小路」より 著者:泉鏡花
町人が来ては叱られましょうッて莞爾しました。」 お夏はその時町人といった。 「痛快でがした。―― 服装といい、何となく人形町時分から見ると落着きが出て気高い....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
い去る必要を感じない。眼などへ沁み込んで多少刺戟さるることもあるが、それらはやや痛快の感をおぼえつつ登って行くのである。あの頂き、あの楢や栗の生え茂った絶頂へ行....