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「痩せ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

痩せの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
吉はおやじの代から、日本橋の若松町にいる絵具屋である。死んだのは四十五で、後には痩せた、雀斑《そばかす》のあるお上《か》みさんと、兵隊に行っている息子とが残って....
片恋」より 著者:芥川竜之介
情したよ。 「何でも、十二三度その人がちがった役をするのを見たんです。顔の長い、痩せた、髯《ひげ》のある人でした。大抵黒い、あなたの着ていらっしゃるような服を着....
或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
し》。 堀川保吉《ほりかわやすきち》 主筆の肥っているだけに痩《や》せた上にも痩せて見える三十前後の、――ちょっと一口には形容出来ない。が、とにかく紳士と呼ぶ....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
君は今、車へ乗って通った人の顔を見たかい。」と、妙な事を尋ねるのです。「見たよ。痩せた、黒い色眼鏡をかけている男だろう。」――新蔵はいぶかしそうにこう云いながら....
三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
なった悪魔と一しょに林檎の問題を論じながら、人通りの多い街を歩いて行った。すると痩せ細った子供が一人、顔中涙に濡らしたまま貧しい母親の手をひっぱっていた。 「あ....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
誰の眼からも立派な罪人のように見えたに違いない。私は断食もした、不眠にも陥った、痩せもした。一人の女の肉をも犯さなかった。或る時は神を見出だし得んためには、自分....
クララの出家」より 著者:有島武郎
いうと同時に祭壇に安置された十字架聖像を恭しく指した。十字架上の基督は痛ましくも痩せこけた裸形のままで会衆を見下ろしていた。二十八のフランシスは何所といって際立....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
の隠宅の一と間に横たわったままの、私の遺骸をまざまざと見せてくださいました。あの痩せた、蒼白い、まるで幽霊のような醜くい自分の姿――私は一と目見てぞっとして了い....
歯車」より 著者:芥川竜之介
は火鉢に手をかざしながら、いろいろのことを話し合った。体の逞しい姉の夫は人一倍|痩せ細った僕を本能的に軽蔑していた。のみならず僕の作品の不道徳であることを公言し....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
驚いたの驚かないのではありません。なぜかといえばそれは二匹とも、形は見すぼらしい痩せ馬でしたが、顔は夢にも忘れない、死んだ父母の通りでしたから。 「こら、その方....
滝田哲太郎君」より 著者:芥川竜之介
◇ 僕は又滝田君に画帖などを示し、相変らず元気に話をした。 滝田さんよりも痩せていますか?」といった。 ◇ 滝田君に近いものだった。僕は....
夏目先生と滝田さん」より 著者:芥川竜之介
の名を呼ぶのでふり返って見ても暫く誰だか分らなかった。あの大きな身体の人が非常に痩せて小さくなって顔にかすかな赤味がある位でした。私はいつも云っていたことですが....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
たし、とても毎日の糧をもとめるにも足りないくらいだった。彼はなかなかの健啖家で、痩せほそってはいたものの、大蛇のように胃袋をふくらますことができたのだ。ところが....
狂人日記」より 著者:秋田滋
の評判になった。弁護士、若い法律顧問、判事たちも、二つの凹んだ眼が光っている彼の痩せた顔に、大きな敬意を表するために、非常に低く頭を下げて挨拶をしたものだった。....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
造だった。それから校舎のまわりにはポプラァが何本かそよいでいた。(この界隈は土の痩せているためにポプラァ以外の木は育ち悪かったのである。)僕はそこへ通っているう....