»
痩せる
「痩せる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
痩せるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
憚りだが、袖で隠して。」 「いいえ、いいえ。」 おくれ毛が邪慳に揺れると、頬が
痩せるように見えながら、 「嬉しい、胸が見えるんです。さ、遮るものなしに通った、....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
大審院の判事に任ぜられると直ぐに暑中休暇になったが、暑さが厳しい年であったため、
痩せるまでの煩いをしたために、院が開けてからも二月ばかり病気びきをして、静に療養....
「米」より 著者:犬田卯
それだけだった。 毎年々々のことだったが、おせきは田植時分からその苦労のために
痩せる思いだった。出来秋まで、何の心配もなく食うだけのものは貯えておきたい、おか....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
が通って皆大喜びで鼠泣きするだろう。しかし驚き恐れ憂い悲しんで死んでも、いくらか
痩せるくらいでまんざら役に立たないことはない。 彼等は死肉を食べつつある!――....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
来ない文章上の微妙な説を聞いて大いに発明した事もしばしばあったし、洗練|推敲肉|
痩せるまでも反覆|塗竄何十遍するも決して飽きなかった大苦辛を見て衷心嘆服せずには....
「雷」より 著者:海野十三
たも無理はない。私は五年前からひどい腎臓を患うたもので、酒と煙草とを断ち、身体は
痩せるし顔色は青黒くなるし、おまけに白髪が急に殖えてきて……とにかく姿は変りまし....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
切腹するより他には無いのだが、同じ死ぬのならお前のドテッ腹へ風穴を穿けて、屍骸が
痩せるまで血を流さした上で、覚悟をする」 「いえ、正直のところを申しますよ。決し....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
を見に行くの。ママ! 私はどうして斯うも飛行機が好きなんでしょう。――ママが身の
痩せる程私の飛行家になるのを恐れて居らっしゃるのに。私よく考えて見ますわ。 六月....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
げたいような心持で、夜のふけるのを待ちかねて毎晩毎晩忍んで行った。そうして、身も
痩せるばかりの果敢ない、遣瀬ない思いに悩みつづけているのであった。 吉左衛門夫....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
分に行き届いた忠実な勤めをいたしました。祈祷と精進はもちろん、病める者はわが身の
痩せるような思いをしても救済し、その他の施しなどについても、わたし自身の生計に困....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
頸に財布をかけていたからである。四、五日降りつづいた雨が晴れて、川の水がだんだん
痩せるに連れて、岸の浅い処にかれの尾や足があらわれて来た。そうして、政吉の冤罪を....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
飛騨の涼しい秋は早くも別れを告げて、寒い冬の山風が吹いて来た。柳屋の門の柳が霜に
痩せると共に、恋に悩める女にも漸次に痩が見えた。持病のヒステリーも嵩じて来た。果....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
わせるようなものだ。高価な薬をあたえれば、医者のふところは膨らむが、病家の身代は
痩せる。医は仁術で、金儲け一点張りではいけないなどと云う。それが自然に久松にもき....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
ないから、そこらで鰻《うなぎ》でも食べようか。つまらないことを考えていると人間は
痩せるばかりだ。ちっと脂っこい物でも食べて肥《ふと》ろうじゃないか」 「あら、姐....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
ないから気丈夫じゃあるけど、何しろ今日の苦しみが激しいからね、あれじゃそりゃ体も
痩せるわ」 「まあしかし、直るという当てがあるからいいやな。あまり心配して、お光....