痩せ型[語句情報] » 痩せ型

「痩せ型〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

痩せ型の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人間灰」より 著者:海野十三
た。 「コラ、待てッ――」 と巡査は叫んで、怪漢めがけて駆けだした。 長身の痩せ型の男は、巡査の大喝を聞くと、そのまま足を停めた。そして難なく腕を捕えられて....
ヴィヨンの妻」より 著者:太宰治
ンのように顔の上半分を覆いかくしている黒の仮面をつけた男と、それから三十四、五の痩せ型の綺麗な奥さんと二人連れの客が見えまして、男のひとは、私どもには後向きに、....
密林荘事件」より 著者:海野十三
ていた者である。 旗田警部からの呼出しで、その柴谷青年は役所へやって来た。彼は痩せ型の、顔色のどす黒い、そして今時|金縁眼鏡をかけているという人物だった。 ....
蘇生」より 著者:豊島与志雄
歪めて苦悶の表情をしていたが、すぐに澄み切った朗かさに返った。高い鼻の細りとした痩せ型の顔が、何ともいえず端正な趣きを呈した。それを見ると、敬助はどうしていいか....
化生のもの」より 著者:豊島与志雄
人とも洋服姿の、相当な身なりだった。一人は五十年配の肥満した男で、一人はまだ若く痩せ型だった。年寄りの方がぶらりぶらり歩いてゆくのを、若い方が追っかけてきて、な....
椿の花の赤」より 著者:豊島与志雄
だ、短歌雑誌や婦人雑誌の編輯をエキストラとして手伝ったりしてる女で、顔立は普通、痩せ型の中背、髪は短くカールし、派手な洋装をしたりじみな和服をきたりしているとい....
白木蓮」より 著者:豊島与志雄
津美で、仲居ともつかず、養女ともつかずわりに気儘な立場にいる。十七八歳の体躯で、痩せ型の方で、色の白い顔は、肉附きも皮膚も薄い感じがして、清楚でそして淋しい。口....
自由人」より 著者:豊島与志雄
じがある。変化が起ったら、表情がまるで違うようになるかも知れないのだ。 本堂は痩せ型で、精力的な男に見える。頬の蒼白さは腺病質らしいが、高く張ってる額は知性と....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
むには特別の技能があるという。非常に利口で、全てにつけて考えが行き届いているが、痩せ型で至って非力な男だと人々は云っている。ところが、こうと思いこむと執念深くて....
艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
今住んでいる市川では、土地の芸者衆はお弟子にしていないが、一番の美人はスラリと痩せ型の細おもて、上背のある千代菊の由。浅草から移ってきた某という、薄手細おもて....
三国志」より 著者:吉川英治
ると、玄徳の如く肥満してもいないし、孫権の如く胴長で脚の短い躯つきでもなかった。痩せ型で背が高く、これを「曹瞞伝」の描くところに従っていえば、 ――佻易ニシテ威....