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痴
「痴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
痴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
盗人の群れにはいったが、それでも苦しい目にあう事は、以前と少しも変わりがない。白
痴に近い天性を持って生まれた彼女にも、苦しみを、苦しみとして感じる心はある。阿濃....
「母」より 著者:芥川竜之介
うわく》らしい眼つきを見せた。
「お前は己《おれ》と約束したじゃないか? もう愚
痴《ぐち》はこぼすまい。もう涙は見せない事にしよう。もう、――」
男はちょいと....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
しました。
「はい。――それでもまだ悔《く》やしいのは、――」
「さあ、それが愚
痴《ぐち》と云うものじゃ。北条丸《ほうじょうまる》の沈んだのも、抛《な》げ銀《ぎ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ない。――すなわち不合理に終始している。
×
ボオドレエルは白
痴になった後《のち》、彼の人生観をたった一語に、――女陰の一語に表白した。しかし....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
の二階に大島《おおしま》の羽織や着物を着、手あぶりに手をかざしたまま、こう云う愚
痴《ぐち》などを洩らしていた。
「日本もだんだん亜米利加《アメリカ》化するね。僕....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
「お前よりおれの方が嫌になってしまう。お母さんはああやって寝ているし、お前にゃ愚
痴《ぐち》ばかりこぼされるし、――」
洋一は父の言葉を聞くと、我知らず襖《ふす....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
ぼう》の明《あきらか》なるを悟《さと》らざる汝《なんじ》提宇子《でうす》こそ、愚
痴のただ中よ。わが眼《まなこ》より見れば、尊げに「さんた・まりあ」などと念じ玉う....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
火《あぶらび》の燈台をともした。その昼のような光の中に、彼は泥のように酔《よ》い
痴《し》れながら、前後左右に周旋する女たちの自由になっていた。十六人の女たちは、....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ことをひそかに幸福に思っている。
椎の葉
完全に幸福になり得るのは白
痴にのみ与えられた特権である。如何なる楽天主義者にもせよ、笑顔に終始することの出....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
まぎ》れになる事もありましたろうに。」
「ところが始終蒼い顔をしては、つまらぬ愚
痴《ぐち》ばかりこぼしていた。たとえば谷間の椿を見ると、この島には桜も咲かないと....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
ても善いじゃないか?――」 相手は椅子からずり落ちかかったなり、何度もこんな愚
痴を繰り返していた。 「おれはただ立っていろと言っただけなんだ。それを何も死なな....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
しょう。あれは気違いじゃないのですよ。莫迦になってしまったのですよ」 「早発性|
痴呆と云うやつですね。僕はあいつを見る度に気味が悪くってたまりません。あいつはこ....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
)の正月である。僕はその日の夕飯を斎藤さんの御馳走になり、六韜三略の話だの早発性
痴呆の話だのをした。御馳走になった場所は外でもない。東京駅前の花月である。それか....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
まについばんでいた。正直ものの駒鳥がいた。これは子供の狩猟家の好む鳥で、声高に愚
痴をこぼしているような鳴き声だ。黒鳥はさえずりながら黒雲のようにむらがって飛んで....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
第三区ははじめての選挙区ではあり、相手には頼母木桂吉、安藤正純、田川大吉郎、伊藤
痴遊というそうそうたる人がひかえている。京橋、日本橋、浅草はまさに東京のヘソであ....