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痺
「痺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
痺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
にした。と云っても科長や校長のようにちゃんと膝《ひざ》を揃えたのではない。容易に
痺《しび》れの切れないように大胡坐《おおあぐら》をかいてしまったのである。
読....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
感じた。そうして、その目の中に、恐ろしい力があって、それが次第に自分の意志を、麻
痺《まひ》させようとするのを感じた。
「しかし、それは卑怯《ひきょう》だ。」
「....
「河童」より 著者:芥川竜之介
しはこの間もある社会主義者に『貴様は盗人《ぬすびと》だ』と言われたために心臓|痲
痺《まひ》を起こしかかったものです。」
「それは案外多いようですね。わたしの知っ....
「女」より 著者:芥川竜之介
。
争闘は短かった。
蜂は間もなく翅が利《き》かなくなった。それから脚には痲
痺《まひ》が起った。最後に長い嘴《くちばし》が痙攣的《けいれんてき》に二三度|空....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
がある、その温泉の石槽《いしぶね》の中にまる一晩沈んでいた揚句《あげく》、心臓痲
痺《しんぞうまひ》を起して死んだのです。やはり「ふ」の字軒の主人の話によれば、隣....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
道徳の与えたる恩恵は時間と労力との節約である。道徳の与える損害は完全なる良心の麻
痺《まひ》である。
*
妄《みだり》に道徳に反するものは経済の念に乏し....
「或る女」より 著者:有島武郎
、両足は固く重くなって一|寸《すん》も動きそうにはなかった。寒気のために感覚の痲
痺《まひ》しかかった膝《ひざ》の関節はしいて曲げようとすると、筋を絶《た》つほど....
「或る女」より 著者:有島武郎
ようなその香《にお》いを葉子は衣類をかき寄せて、それに顔を埋《うず》めながら、痲
痺《まひ》して行くような気持ちでかぎにかいだ。その香《にお》いのいちばん奥に、中....
「親子」より 著者:有島武郎
れでは俺しも寝るとしようか」 と投げるように言って、すぐ厠に立って行った。足は
痺れを切らしたらしく、少しよろよろとなって歩いて行く父の後姿を見ると、彼はふっと....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
るようになり、そのために爾後約二〇世紀の間、現代の始まりまでも自然研究の衝動を麻
痺させるという甚だ有害な妄信を生ずるに至った。この教理はジュリアス・シーザーと同....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
がな。せつかく御酒を一つと申されたものを、やけな御辞退で、何だかね、南蛮秘法の痲
痺薬……あの、それ、何とか伝三熊の膏薬とか言う三題|噺を逆に行ったような工合で、....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
た。扇子をむしって棄ちょうとして、勿体ない、観音様に投げうちをするようなと、手が
痺れて落したほどです。夜中に谷へ飛降りて、田沢の墓へ噛みつこうか、とガチガチと歯....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
出すと、びったり額を伏せて、しっかりと膝を掴んだが、苦痛を堪える恐い力が入って、
痺れるばかり。 (しっかり……しっかりして下さいよ。) 背中を擦ろうとした手が....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
人が登山されたものと見えますな――但しどうやら、貴辺がその鮨を召ると、南蛮秘法の
痺薬で、たちまち前後不覚、といったような気がしてなりません。早く伺いたい。鮨はい....
「東京に生れて」より 著者:芥川竜之介
ろが、僕は東京に生れ、東京に育ち、東京に住んでゐる。だから、東京に対する神経は麻
痺し切つてゐるといつてもいゝ。従つて、東京の印象といふやうなことは、殆んど話すこ....