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瘧
「瘧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
瘧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
え動かせたなら、こう叫んでいたかも知れません。が、声を揚げるどころかわたしの体は
瘧《おこり》を病んだように、震《ふる》えているばかりでございました。
弥三郎!....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
とわれるのであった。 眼にも見えないその怪異に取り憑かれたものは、最初に一種の
瘧疾にかかったように、時々にひどい悪寒がして苦しみ悩むのである。それが三日四日を....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
に、水で扉を開け――と教えてくれたのだ。勿論一種の信仰療法なんだが、まずデイは、
瘧患者を附添いといっしょに一室へ入れ、鍵を附添いに与えて扉を鎖さしめる。そして、....
「落穴と振子」より 著者:佐々木直次郎
けもどり、両手に顔をうずめた、――はげしく泣きながら。 熱は急速に増した、私は
瘧の発作のようにぶるぶる震えながら、もう一度眼をあげた。監房のなかには二度目の変....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
す》んで居た一夜庵《いちやあん》の宗鑑の膚《はだえ》を螫《さ》して、そして宗鑑に
瘧《おこり》をわずらわせ、それより近衛《このえ》公をして、宗鑑が姿を見れば餓鬼つ....
「芋」より 著者:佐左木俊郎
た。医者を呼びに行ったモセ嬶はひどく悄気て帰って来た。 「なじょでがす? 爺様の
瘧は?」 斯う訊いて、彼女の道伴れになったのは、野山から柴を取って売ったり、蕨....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
につけても、贈主なる貴公子の面影さえ浮ぶ、伯爵の鸚鵡を何としょう。 霊廟の土の
瘧を落し、秘符の威徳の鬼を追うよう、たちどころに坊主の虫歯を癒したはさることなが....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
縮緬の裡で、幽霊はもう消滅だ。」 「幽霊も大袈裟だがよ、悪く、蜻蛉に祟られると、
瘧を病むというから可恐えです。縄をかけたら、また祟って出やしねえかな。」 と不....
「両面競牡丹」より 著者:酒井嘉七
私は、その瞬間、ぞっとして、背筋を冷たいものが走った様に感じたのでございます――
瘧の発作にでもとらわれたような慄えを感じて参りました。私でない私、そうしたもので....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
。) (やあ、はい、詫びさっしゃる事は何にもねえだがね、そこに久しく立っていると
瘧を煩らうだあかンな、取憑かれるでな。) (ええ、どうしてだい。) (何、お前様....
「妖怪学」より 著者:井上円了
出ず。悪夢を断絶して、不祥を辟除す)と書きし札を、枕の近辺に置くことあり。また、
瘧と称する病を治する方法は、梨を厚く切りて、これに向かいて呪文を唱うるなり。その....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
歯痛にはその歯に「南」という字を書くがごとき、その他「おこり」といって、すなわち
瘧ととなえる病を療治する方法のごときも、いろいろありますが、従来日本の慣習として....
「迷信解」より 著者:井上円了
できぬ。 マジナイの中には、一種の滑稽に属するものもたくさんある。例えば、俗に
瘧のときに茄子を食するを忌むは、
瘧のいゆるを落つるというによりて、茄子は熟しても....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
みても止らないです。仕様がないからそのまま倒れて居るとやっぱり震えて居る。まるで
瘧が起ったような有様。……で大方二、三時間も震えて居ったでしょう。その中に五時過....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
軍隊は、アンリの軍をしてルウアンの囲みを解くのやむなきにいたらしめた。若い伯爵は
瘧に苦しみながら、突然、絶望に陥った。彼は女王に手紙を送って「陛下の御不親切とお....