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瘻
「瘻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
瘻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
密を知らぬものの推測としてはこれが最も当っているので、お政の天性《うまれつき》と
瘻弱《ひよわ》なことは確に幾分の源因を為している。もしこれが自分の母の如きであっ....
「山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
で御座いますから、わたくしは何も……申しませんでしたけれども、主人が、あんまり見
瘻らしい処へ通いますから、家柄にも拘わると思いまして、それほど気に入った女なら、....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
…はてな、御めしがうれしいとは何ういう訳だろう、それから…そんじ上…※…サア此の
瘻のような字は何とか云ったッけねえお前さん、此の字は何と云いましたッけ」 手「....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
た。帰りの遅くなったのは、最近になってやっとはっきり自覚するようになった葉子の痔
瘻が急激に悪化して、ひりひり神経を刺して来る疼痛とともに、四十度以上もの熱に襲わ....
「伸子」より 著者:宮本百合子
たが、伸子はそれがコンサムプションであろうことは殆ど疑いなかった。彼が二十代に痔
瘻《じろう》を患ったことのあるのを聞いていた。始終腸に苦情があった。彼の生国は県....
「連環記」より 著者:幸田露伴
に、やや狂的になった。或時はやや病が衰えて元気が回復したかのように、透徹るような
瘻れた顔に薄紅の色がさして、それは実に驚くほどの美しさが現われることも有ったが、....
「蝕眠譜」より 著者:蘭郁二郎
まれていったようである。 私は、見るともなく、彼の寝顔に見入った。その余りにも
瘻れ果てた容貌、いたいたしいばかりに薄っぺらな胸板――彼は、一体どんな女に溺れて....
「卑怯な毒殺」より 著者:小酒井不木
じゃ早く僕は君に話せばよかった。僕は爆烈弾のハヘンで鳩尾を破られ、その結果｜食道
瘻が出来たのだ。食道の孔が、腹の表面と交通し、食物を口から取っても、腹の表面へ出....
「雪の日」より 著者:近松秋江
の嫁は遅く来て私が戻ってくる時分には、以前は商売人であったとかいって病身でひどく
瘻れていたが顔立ちはいい女だから、病気も直ったとみえて、私の知っている時分より若....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
福に暮らしていられるんでしょうな」と云ったが、みなりこそ立派だが、見違えるほど面
瘻れした彼女を見ては幸福な生活をしている者とはどうしたって思われなかった。 彼....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
何となく憂鬱な空気にとざされていました。殊に智恵子は一ヶ月余り見ない間にすっかり
瘻れ果てて、物凄いように青ざめていました。私は中の話を聞こうとして硝子に耳をぴた....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
りませんでした。 『夢はいかがですか』 『やっぱり同じことです』 新生寺さんは
瘻れた顔に、淋しい微笑を浮べて答えます。 霊笛と名づくる石笛を私が静かに吹いて....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
んは静に部屋へ入って来た。 十数年振りで会った彼女は、昔の面影もなく、痛々しく
瘻れて、この人も今に死んでしまうのではあるまいかと、ふとそんなことを思いながら、....
「蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
は嬉しゅうございました。 半年ばかり会わなかった間に、綾子さんは見違えるほど面
瘻れして、大きな眼がますます大きく、ふっくりしていた頬の肉もすっかり落ちて、何と....
「機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
なしい善良な人に嫌疑がかかってはすまないと思う一方、見ていると白石さんは日に日に
瘻れて、心の苦悶が顔にあらわれ、極度の神経衰弱に陥ってゆく様子にもう黙ってはいら....